どーも!きちほーしです!
この記事はきちほーしの自分語りです。
今回はVRを使った発達障害者・知的障害者のトレーニングに関する記事が面白かったので、いろいろ紹介したいと思います。
はじめに: きちのの将来が心配!
どうも!きちほーしです!
きちほーしの子供、きちのは知的障害児です。
幸い身体障害を伴うほどの重度ではありませんが、かなり成長した今でもろくに会話もできません。
これまでずいぶん長いこと療育施設に通ってきましたが成長が実感できません。
もっといい療育モノがないかなーと調べていたら、たまたまVRでトレーニングしているという記事を見つけました。
多くの記事は知的障害者向けというより発達障害者向けではありますが、知的障害者向けの応用も効きそうな予感がしました。
VRで生活・就労トレーニング
エンデバー財団(オーストラリア)の試み
オーストラリアのエンデバー財団は、知的障害を持つ若者が就労に向けたスキルを身につけるために、VRを活用しています。スポンサー企業と組んでコンテンツを制作し、日常生活や仕事の手順をVRでトレーニングします。
現在提供しているのは、PC向けVRヘッドセット・Oculus Riftを使って体験する15のトレーニングプログラムです。ATMの使い方や交差点での横断の仕方、電車の乗り方といったことをVRで学びます。
このような日常生活での必要事項に加えて、就労に関するプログラムもあります。例えば、どうやって喫茶店のバリスタになるか、また建設現場でどのようにフォークリフトなどの危険性に注意すべきか、といった内容を学ぶことができます。
障害者の生活や就労をVRで支援、豪非営利組織がVRトレーニング制作
このコンテンツはぜひウチにも欲しいです。
前の記事にも書きましたが、きちのは交通ルールもよく分かっていないので一人で町を歩かせることもできません。
電車についても放っておけば改札を乗り越えて駅に入ろうとします。
ぜひこれでトレーニングしたいものです。
それに加えて就労プログラムもあるのはとても素晴らしいです。
これでいろんな職業体験をしてみて、早い段階で自分の好きな職業を見つけることができれば、親も早い段階で応援することができます。
ですが、残念なのはこのコンテンツがオーストラリアのものだということ。
当然英語だし文化も違うでしょうから、たとえフリーで公開されていてもきちのにそのまま使うことはできないでしょうね。
なぜ企業は知的障害者に出資してくれたのか?
この記事でもう一つ興味をもったのは、このコンテンツを作るための出資を寄付ではなく企業との提携によって得たという点です。
なぜ企業は知的障害者に出資してくれたのでしょうか?
知的障害者に市場価値があると思ってくれたのでしょうか?
その理由を想像してみます。
提携を受けた企業の1つXL Catlinという保険会社は、フォークリフトの危険に関するプログラムを制作したようです。
なんで保険会社がフォークリフト?
おそらくこの会社は健常者への教育コンテンツとして元々フォークリフトの危険に関するプログラムがあったのでしょう。
フォークリフトがあるような現場で働く人の事故が減れば保険会社も保険金を支払わなくて済むからでしょうね。
そしてその元々あったコンテンツをちょっとカスタマイズすれば、あまりコストをかけずに障害者向けにできそうです。
提携を受けた他の企業として他にもあります。
1つはATM操作のプログラムを提供したヘリテージ銀行、もう1つは交通安全プログラムも提供したトランスアーバン(道路建設会社)。
どちらのプログラムも教育コンテンツとしてすでにありそうです。
これらの企業が出資してくれたのは、この2つではないでしょうか。
このやり方を真似れば日本でも知的障害者向けトレーニングコンテンツができるかもしれませんね(すでにあったりして?)
さらに子供向けデザインにしてくれる提携者が現れるといいなー。
自閉症スペクトラム症の人たちがバーチャル空間で交流会
NHKの試み
発達障害のひとつ・自閉スペクトラム症のある私たちが集まり、当事者会を開きました。新型コロナウイルスの影響もあり、今回開催した場所はVR(バーチャル・リアリティ)空間。それぞれが好きなアバターとなって、文字チャットや声を使ってコミュニケーションを取り合い、悩みや対処法を共有しました。バーチャル空間だからこそ話しやすい部分もあれば、反対に話しづらくなってしまった部分も。
自閉スペクトラム症のある私たちが、アバターとなってバーチャル空間に集合
NHK主催でバーチャル空間での交流会を開いたようです。
集まったのは自閉スペクトラム症のある人たち。
記事ではVRゴーグルをつけた写真もありますが、テキストチャットもしているところを見ると、PCでも参加はできたようです。
というよりPC参加の方が多いんだろーなーと思います。
記事から見える発達障害者の悩み
「普段の当事者会で、視線が突き刺さるのが苦手」という意見があり、複数の方から共感を得ていました。私たちにとって「見られている」感覚がコミュニケーションの障壁となることもありそうです。アバターを使えば、見られている感覚はありません。
また、人数の多さについても話題に上りました。「リアルな当事者会だと10人近くなると必ず話せなくなる」と、昨年の番組にも出演したばばさんは言っていました
自閉スペクトラム症のある私たちが、アバターとなってバーチャル空間に集合
「現実だと相手の表情を読んだり、タイミングを見たりしなければいけなくて、それだけで疲れちゃうのですが、チャットだと本当に純粋に情報だけやりとりできるところがメリットなのだと思いますね。また、生身の自分をさらすのはすごくしんどい場合もあるので、そこでアバターがあると、少し楽になるのかなと思います。診察室でも、ぬいぐるみを持って来られる方がいたり、僕のところもぬいぐるみを置いていたりして、そちらに話してもらったり、ぬいぐるみ同士で話させたりみたいなことで、ずいぶんコミュニケーションがスムーズにいく方もいます。人形やアバターに、守ってもらえるという感じもあるのかもしれないですね」(樋端さん)
【特集】発達障害アバター大集合(1) 自閉スペクトラム症とバーチャル空間
知的障害は発達障害の一つだと聞きます。
なのでこの記事に書かれている発達障害者の悩みは、きちのにも通じるものがあるのかもしれません
知的障害のきちのはしゃべれませんから、他人とコミュニケーションできない理由はこういうのをヒントに想像するしかないんですねー。
上の引用からまとめると、自閉スペクトラム症の人がリアルのコミュニケーションを苦手とする理由はこんな感じにまとめれそうです
- 他人の視線が苦手
- 他人の表情を読むのがしんどい
- 話しかけのタイミングが難しい
こういった要素は人数が増えるほど複雑になるので大人数も苦手なんでしょうね。
一方でアバターを介して話すと視線は気にならないようです。
またテキストチャットなら話しかけのタイミングもさほど気にしなくていいようです。
なのでVRは彼らにとってはいいコミュニケーション空間かもしれませんね。
VRコミュニケーションはきちのに向いているか?
残念ながらきちのは言語コミュニケーションができません。
なので、当然テキストチャットなんてできません。
そういう意味ではPCを使ったコミュニケーションはおそらく無理でしょう。
ではVRで非言語コミュニケーションをとることができれば、きちのは交流ができるのでしょうか?
例えば、みんなで大縄跳びを跳ぶとかマリオカートで競争するとか(発想が貧困ですが^^;)、そんなことはできるのでしょうか?
もしかしたらゲーム空間なら交流ができるのかもしれません。
可能性は低いですが、やってみる価値はありそうです。
VRは今後も成長産業
VRによる療育コンテンツに期待をかけたいところですが、サービス提供者も儲からなければやる気がおきません。
VRサービスを展開するには、少なくともVR市場が活況であってほしいものです。
VR市場が活況ならVRゴーグルのような設備もVRコンテンツの制作コストも安くなりそうだからです。
コロナ初期は在宅者も増えてVRが活況!なんてニュースもあったと思いますが、今はどうなんでしょうか?
近年のVR市場の急成長ぶり、また将来の拡大予測は、多くのレポートで発表されています。では、映像配信といった他のメディアと比較するとどうでしょうか? 国際会計事務所のPwCはグローバルのエンターテインメント・メディア市場に関するレポートを発行。最も高い成長を見せるVRに注目しています。
VRは全メディア・エンタメ市場でトップの成長率に――PwC予測
国際会計事務所のPwCはグローバルのエンターテインメント・メディア市場に関するレポート(2021年7月)によれば、VRは全分野でトップだそうです。
これでもっとVR療育コンテンツが増えてくれるといいですね。
VRじゃない障害者向け教育サービスはすでにある
VRじゃない障害者向け教育サービスはすでにあります。
ただし、ちゃんと自分で勉強を進められる子供向けです。
おそらく発達障害児や軽度の知的障害児向けだと思います。
きちのと同じ支援級の子たち天神をよくやっているそうです。
おわりに
いかがだったでしょうか。
きちほーしの感想がかなりのボリュームになってしまったので、今回も3件と少ない記事の紹介になりました。
もっといろんな記事を調べて、きちのによいトレーニング環境を与えたいです!
ではまた!