前回の記事ではWeb3とDAOについて解説した書籍「Web3とDAO 誰もが主役になれる「新しい経済」」を参考にDAOの入り方・作り方についてごくカンタンにお話しました。
今回は下記2つのサイトを参考に、DAOの入り方・作り方についてより詳細にお話します。
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- 関連記事
- DAOの特徴を知っておこう
- DAOの問題点も知っておこう
- 既設のDAOに入って経験を積むのもいいかも
- DAO作成に必要なものを整理しよう
- DAOシステムの作り方
- 用語・解説
- おわりに
アイスブレイク
(今週のお題「カバンの中身」)
アイスブレイクではきちほーしのことをよく知ってもらうため、はてなブログの「今週のお題」をヒントに、本題と少し外れたお話をします。
今週のお題は、「カバンの中身」です。
カバンには常にエコバッグ入れてますね^^。
フルーツをあしらったやつ。
このエコバッグは買い物以外にも図書館の本を入れたりPC入れたり。
いろいろ役に立ってますねー。
関連記事
DAOの特徴を知っておこう
DAOを作る前にDAOがどんなものなのか、その特徴を知っておきましょう。
ここでは一般的なDAOの特徴についてお話します。
中央管理者がいない
DAOは社長のような中央管理者が存在しない組織で、誰でも参加可能です。
メンバーは中央管理者ではなくルールに従うことで自律的に運営されます。
ジョブ型雇用
DAOはジョブ型雇用です。
アニメ制作で例えれば、動画編集・動画撮影・編集それぞれに得意な人がつくような、スペシャリストの集まりです。
そのため個人のスキルが試されるシビアな世界です。
ジョブ型雇用の対義語はメンバーシップ型で、総合的なスキルが求められます。
DAOの問題点も知っておこう
DAOにもいくつかの問題点があります。
DAOを作る上では問題点を把握することも重要です。
以下で詳しくお話します。
社長はいないが今はカリスマ管理者が必要
DAOが発展途上である今はカリスマ管理者の多大な労力により支えされているのが実態です。
DAOの理想は非中央集権であることですが、現状はカリスマ管理者が必要です。
「クリプトリテラシー」が必要
DAOの意思決定は投票制で、投票にはガバナンストークンが必要です。
そのためガバナンストークンを入手・管理できるだけの「クリプトリテラシー」が必要です。
法律が未整備
DAOに関する法律が未整備なので、トラブルや資産の盗難に見舞われてもがあっても責任の所在が不明確です。
税金関係もどんな対応をすればいいのか不明確です。
既設のDAOに入って経験を積むのもいいかも
いくら言葉で言っても実体験してみないとよくわからないですよね。
いきなりDAOを創設するのではなく既存のDAOに参加して経験してみるのもいいかもしれません。
きちほーしならまずは日本の参加無料のDAOで試したいですね。
- Ninja DAO: Crypto NinjaというキャラのNFT関連
- Nishikogoi: 山古志地域関連
- Media DAO: NFT NEWS JAPANというニュースサイトの運営
またコミュニケーションにはDiscordがよく使用されているようです。
DiscordはDAOでよく使われるチャット・ボイスチャットサービスです。
なおハッキングメールが来ることもあるので要注意です。
DAO作成に必要なものを整理しよう
後でも触れますがDAOの立ち上げには数万円が必要です(22年10月現在)。
無料のブログを立ち上げるのとは気軽さが違いますよね。
だからDAOを立ち上げる前に何が必要かここで整理しましょう。
前回の記事でも触れましたが、DAOシステムの構築はさほど難しくありません。
大事なのはプロジェクトコミュニティなのです。
もっとも必要なもの: プロジェクトとコミュニティ
- プロジェクトとその目的
- 優れたプロジェクトとその目的が必要です
- コミュニティ
- より多くの人々が参加することで非中央集権が強まります
必要なもの: DAOシステム
- 投票機能
- 独自のものでも良いしサードパーティの投票機能でも良いです
- ガバナンストークン
- 一般的には株式制のガバナンストークンを使用します
- 資金管理方法
- 一般的には基金やクラウドファンディングで資金を集めます
- 一般的に資金は主要メンバ全員が同意した時に使える複数署名のウォレットに保管します
DAOシステムの作り方
ここではDAOシステムの作り方についてお話します。
人気があるツールはAragonとSnapshotです。
Aragon
Aragonの特徴
Aragonの特徴は以下のとおりです。
- オンチェーン(*1)
- 5種のブロックチェーン(ethereum, polygon, andromeda, harmony)上に組織を作れる
- オープンソースで提供されている
- Aragonの調達資金を管理するための独自の非営利組織を持っている
システム作成前の準備(Aragon編)
DAOシステムの作成前に以下を用意しておきましょう。
- ENS(*2)のドメイン
- DAO作成費用(0.2ETH(*3)+ガス代)
(*2)ENSは”36Q2BgK19aggABTU6gzZGHCEggILFjcNko”のようなウォレットアドレスを”xxx.eth”のような分かりやすい名前に変えてくれるサービスです。
年間5ドルほどかかります(22年10月現在)。
(*3)22年10月ごろイーサリアム(ETH)の相場はだいたい18万円です。0.2ETHは3~4万円ほどになります。
システムの作成手順(Aragon編)
Aragonによるシステムの作成手順は以下のとおりです。シンプルですね^^;。
- Aragon DApp(*4)を介してENSドメインにリンクした組織を作成する
- 投票期間・必要な支持率などの設定をする
Snapshot
Snapshotの特徴
Snapshotの特徴は以下のとおりです。
- スナップショットの仕組み(*5)を活用したオフチェーン(*1)投票を採用。
- 取引などのデータはIPFSという分散型ファイルシステムを採用。
- オフチェーン(*1)であるため、提案・投票に関するガス代が発生しない。
- オフチェーン(*1)であるため、投票が開始されるとユーザはトークンの追加購入ができず、無用なヒートアップを抑えることができる。
- ユーザーが多くのブロックチェーンにトークンを所有しているマルチチェーンプロジェクトでは有効
- AaveやUniswapなどDeFiなどでも利用されている。
システム作成前の準備(Snapshot編)
DAOシステムの作成前に以下を用意しておきましょう。
- ENS(*2)のドメイン
(*2)ENSは”36Q2BgK19aggABTU6gzZGHCEggILFjcNko”のようなウォレットアドレスを”xxx.eth”のような分かりやすい名前に変えてくれるサービスです。
年間5ドルほどかかります(22年10月現在)。
作成手順(Snapshot編)
Snapshotによるシステムの作成手順は以下のとおりです。これもシンプル!
用語・解説
DAOシステムにはオンチェーンとオフチェーンがある
DAOシステムにはオンチェーンものとオフチェーンものがあります。
ここでオンチェーンとオフチェーンの違いについてお話します。
オンチェーンのメリットは、取引データを世界中のPCに分散させることで信頼性を確保し非中央集権を実現することです。
その一方で、分散処理に10分ほど時間を要し、手数料も発生するというデメリットがあります。
その問題を軽減するためにオフチェーンの方式があります。
これは管理・取引をブロックチェーンの外にある特定のシステムで行う方式で、システムは取引の最初と最後だけオンチェーンで行います。
これによって取引処理の時間と手数料を軽減できるという点がメリットですが、非中央集権であるDAOに反するという点がデメリットです。
Ethreumネームサービス(ENS)
後述のウォレットアドレスのような読みにくい文字列データを”○○○.eth”のような読みやすいアドレスに変換してくれるサービスです。
ENSドメインの取得には年間5ドルほどかかります(22年10月現在)。
ウォレットアドレス
ウォレットアドレスは文字通りMetamaskのような暗号資産ウォレットに付与されたアドレスで、銀行の口座番号のようなものです。
具体的なアドレスはこんな感じです。
36Q2BgK19aggABTU6gzZGHCEggILFjcNko
暗号資産を送付する際にはこのアドレス宛に送ることになります。
Dapp
ブロックチェーン上で動作する分散型アプリ全般を指します。
スナップショット
スナップショットはブロックチェーン台帳全体の内容を記録します。
このスナップショットには既存のすべてのアドレスと関連データ(トランザクション、手数料、残高、メタデータなど)が含まれます。
おわりに
いかがだったでしょうか。
まずDAOの特徴についてお話しました。
- 中央管理者がいない
- ジョブ型雇用
次にDAOの問題点もお話しました。
- 社長はいないが今はカリスマ管理者が必要
- 「クリプトリテラシー」が必要
- 法律が未整備
既設のDAOに入って経験を積むのもいいかもしれません。
Ninja DAO、Nishikogoi、Media DAOなど日本のDAOがいくつかあります。
DAO作成に必要なものはざっくりと以下の通りです。
- プロジェクトとコミュニティ
- DAOシステム
DAOシステムの作り方はAragonによるものとSnapshotによるものをお話しました。
いずれもタダでは作れませんので、やっぱりプロジェクトやコミュニティなどをしっかり確保しておくことが重要ですね。