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【障害ある子の将来設計】「障害者」として生きるために必要な「障害者手帳」とは? -書籍「特別支援が必要な子どもの進路の話」2

このシリーズではでは、障害者の進路について解説した書籍「特別支援が必要な子どもの進路の話」についてグッと要約してお話します。

知的障害・発達障害のお子さんを持つ親御さんはぜひご参考ください。

この記事では、障害者と健常者の違いはなにか?障害者として生きることのメリット・デメリットについてお話します。


 

アイスブレイク

今週のお題「わたしの部屋」)

 

アイスブレイクではきちほーしのことをよく知ってもらうため、はてなブログの「今週のお題」をヒントに、本題と少し外れたお話をします。

今週のお題は、「わたしの部屋」です。

 

きちほーしはモノをすぐ見失います。

なのでモノを引き出しに入れてしまうと、そのモノを探すのにあっちこっちの引き出しを引いたり戻したりすることになります。

なのできちほーしの部屋には引き出しの代わりに箱がたくさんあります。

箱にはフタがないので上から見れば何が入っているかだいたいわかります。

ちなみにひきだしもいくつかありますが、あまり出し入れするものは入れていません。


 

 

きちほーしみたいにいつもモノを探しがちな人は、コレをやってみてはいかがでしょうかw。

 

はじめに

どうも!きちほーしです!

以前きちほーしが調査したところ、知的障害者の3割強が就職、6割強が社会福祉施設に入るとの結果が出ました。

 

ここで言う知的障害者は軽度から重度までを含んでいるでしょうから、就職のほとんどが軽度の人であることは想像に難くありません。

逆に言うと中度以上のほとんどは社会福祉施設に入るのでしょう。

きちほーしの子どもキチノは中度です。

もう社会福祉施設に入ることが決まったようなものです。

 

でも本当にそれしかないのでしょうか?

もっといろんな道があるのではないでしょうか?

 

そこできちほーしは、障害者の進路について解説した書籍「特別支援が必要な子どもの進路の話」を読んでみました。

この書籍は障害者の進路の現実を解説してくれていて、それを踏まえて学校や行政任せにせず自分たちでしっかり進路を決めていくことを推奨しています。

 

このシリーズでは、この書籍について、その概要と、きちほーしが参考になったところをピックアップし、要約(※)して紹介します。

(※)著作権を侵害する恐れがありますので、あえてきちほーしが要約します。

 

この記事では、障害者と健常者の違いはなにか?障害者として生きることのメリット・デメリットについてお話します。

書籍概要

タイトル

特別支援教育が専門の学校心理士だから知っている 特別支援が必要な子どもの進路の話

著者

山内 康彦

概要

特別な支援が必要な子どもたちは、どう生きていくべきか。小学校や中学校を卒業すれば、それで終わりではない。長い人生を自立して生きていくためには、進路について、なるべく早い段階から考えていく必要がある。
それには何が必要か。特別支援教育が専門の学校心理士である著者が、子どもたちの進路についての方策を具体的に説明する。

目次

第1章 18歳の出口から今の進路や療育を考える

第2章 中学校時代から高校までの進路を考える

第3章 小学校時代から中学校までの進路を考える

第4章 幼・保育園時代から小学までの進路を考える

第5章 未就学期に考えておくこと・取り組んでおくこと

第6章 子どもたちに学力と社会性を身につけさせる工夫(療育教材の紹介)

本記事の範囲:1章 18歳の出口から今の進路や療育を考える

この記事では1章「18歳の出口から今の進路や療育を考える」の一部について要約してお話します。

なお、ここでは、通常学級を「普通級」、特別支援級を「支援級」、特別支援学校を「支援校」と呼びます。

 

障害者と健常者の違いとは

発達障害や知的障害の診断がされたからと言って、「障害者」にはなりません。

障害者手帳が発行されて初めて障害者になります。

障害者手帳があるとさまざまな福祉サービスが受けれる一方で、その子の人生が社会的に制限されることになります。

障害者として生きるのか健常者として生きるのかは、障害者手帳のメリットとデメリットを把握しておくことがポイントです。

障害者手帳について

障害者手帳の種類

障害者手帳の種類は次の3つです。

手帳 対象者 備考
身体障害者手帳 病気や身体の障害がある人  
療育手帳 知的な遅れがある人 愛護手帳と呼ぶ場合もある
精神障害者保健福祉手帳 コミュニケーションや人づきあいに障害がある人  
障害者手帳の種類

 

障害者手帳の発行場所

年齢 発行場所
18歳未満 児童相談所
18歳以上 保健所
障害者手帳の発行場所

 

更新忘れを放置すると失効する

障害者手帳は更新があります。更新を忘れて放置すると執行されますので注意が必要です。

知能が上がって手帳が失効することも

支援級に通い続けた結果、知能指数が上がって障害者手帳が外れる場合があります。

特に自閉症の子はコミュニケーションが向上し、知能検査の成績が良くなってこうなるケースが多いようです。

また知的障害の子も支援校に通い続けた結果、療育手帳が外れる場合もあります。

 

このように、自閉症の子については、障害者手帳が外れる可能性も踏まえて進路を考える必要があります。

知的障害の子については、療育手帳が外れる可能性も考えて、精神手帳(精神障害者保健福祉手帳)に切り替える心づもりが必要です。

障害者手帳のメリットとデメリット

障害者手帳のメリット

障害者手帳のメリットには以下のようなものがあります。

  • 公共交通機関の運賃の軽減
  • 博物館などの入館料の軽減
  • 税金控除
  • 支援級・支援校の手厚い教育・福祉が受けられる
    (ただし、精神手帳では入学できないケースが多い)
  • 幼稚園・保育園での加配

障害者手帳のデメリット

障害者手帳のデメリットには以下のようなものがあります。

  • 職業や資格の制限
    • 警察官・自衛官に就きにくい
    • 飛行機のパイロットや電車の運転手など人命に関わる職種に就きにくい
  • 保険に入りにくい
    • 保険料を支払い続け、保険金を受取る時に「告知義務違反」で支払われないケースも
  • マンションやアパートを賃貸しにくい
    • オーナーの理解が得られないケースが多い
  • 結婚しにくい
    • 障害者手帳があると、相手の両親が抵抗を感じてしまう

世間に何気兼ねなく生きてほしいと思うのが親心ですが、現実は結構肩身の狭い思いをするようです。

おわりに

いかがだったでしょうか?

この記事では、障害者と健常者の違いはなにか?障害者として生きることのメリット・デメリットについてお話しました。

主な内容は以下の通りでした。

 

  • 障害者と健常者の違いとは
    • 障害者手帳が発行されて初めて「障害者」になれる
    • 障害の診断をされただけでは「障害者」にはなれない
  • 障害者手帳について
  • 障害者手帳のメリットとデメリット
    • メリット: 公共料金の軽減・税金控除・教育施設の福祉サービス
    • デメリット: 職業や資格の制限・保険加入が困難・住宅を賃貸しにくい・結婚しにくい

福祉サービスを受けれるんだから障害者手帳があるに越したことはないじゃないかと思っていました。

ですが肩身が狭い想いをするのが現実のようです。

それでも子どもにはできるだけ幸せになれるように人生設計をしてあげたいです。

 

次回は、高校卒業後の進路にどのようなものがあるのか、自立するために必要な力がなんなのかをお話します。

(参考)書籍概要

タイトル

特別支援教育が専門の学校心理士だから知っている 特別支援が必要な子どもの進路の話

著者

山内 康彦

概要

特別な支援が必要な子どもたちは、どう生きていくべきか。小学校や中学校を卒業すれば、それで終わりではない。長い人生を自立して生きていくためには、進路について、なるべく早い段階から考えていく必要がある。
それには何が必要か。特別支援教育が専門の学校心理士である著者が、子どもたちの進路についての方策を具体的に説明する。

目次

第1章 18歳の出口から今の進路や療育を考える

第2章 中学校時代から高校までの進路を考える

第3章 小学校時代から中学校までの進路を考える

第4章 幼・保育園時代から小学までの進路を考える

第5章 未就学期に考えておくこと・取り組んでおくこと

第6章 子どもたちに学力と社会性を身につけさせる工夫(療育教材の紹介)