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【知的障害支援できるかな?】知的障害者の支出と支援 -書籍「障害のある子が「親なきあと」にお金で困らない本」のご紹介3-

このシリーズではでは、障害者の経済事情について解説した書籍「障害のある子が「親なきあと」にお金で困らない本」についてグッと要約してお話します。

知的障害・発達障害のお子さんを持つ親御さんはぜひご参考ください。

この記事では、知的・発達障害者の収支の実情についてお話します。


 

はじめに

どうも!きちほーしです!

以前きちほーしは就労継続支援施設のことについて調査し、障害者の収入が生活保護を受給できるレベルと分かりました。

 

 

これできちほーしの子どもキチノもちゃんとやっていけるのでしょうか?

そこできちほーしは、障害者の経済事情について解説した書籍「障害のある子が「親なきあと」にお金で困らない本」を読んでみました。

この書籍は障害者の収入と支出、そして金銭管理の方法について解説していて、障害を持つ子の親御さんの不安に応えてくれています。

 

このシリーズでは、この書籍について、その概要と、きちほーしが参考になったところをピックアップし、要約(※)して紹介します。

(※)著作権を侵害する恐れがありますので、あえてきちほーしが要約します。

 

前回は、知的障害者発達障害者の支出軽減支援についてお話しました。

今回は、それを踏まえて、障害者の収支の実情についてお話します。

 

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本記事の範囲

この記事では第1部の2章「暮らしの場によって変わる収支」の後半について要約してお話します。

ここの内容は収支についてです。

第1部-第2章 暮らしの場によって変わる収支(続き)

利用者負担の負担上限額の設定(再掲)

前回の記事でもお話しましたが、療養介護や就労継続支援のような福祉施設の利用料については、上限額が設定されています。

この上限額は所得やグループホーム・ケアホーム利用の有無で下の表のように変わります。

区分 世帯収入(*2)の状況 負担上限月
生活保護 生活保護受給世帯 0円
低所得 市区町村民税非課税(*3)世帯 0円
一般1 市区町村民税課税世帯で、
グループホーム・ケアホームを利用しない入所施設利用者
9,300円
一般2 上記以外 37,200円
世帯収入の状況に応じた負担上限月額の設定

ただし、施設における飲食費や光熱水費・グループホームの家賃などはここには含まれていませんのでご注意ください。

 

(*2)「世帯収入」の範囲は、障害者本人とその配偶者です。

なので、実家ぐらしの場合親の収入は「世帯収入」には含みません。

 

(*3)「非課税」の基準額は地域によって異なります。

東京都23区の場合は年金などの収入が125万円以下、給与所得がある場合は204.4万円未満が非課税になります。

本人負担額は生活の場によって異なる

障害者の収入は経済的に厳しいことが多く、支援がなければ福祉サービスが受けられなくなります。

そのために上記のような支出軽減のための支援がされているのです。

ここでは、家賃、食費、光熱水費、日用品費の本人負担額がどのようになるのかについてお話します。

この負担額は生活の場によって異なります。

グループホーム利用者の収支

グループホームの家賃や食費・光熱水費・日用品費は、施設や地域によって異なります。

下の表は障害基礎年金2級受給者であり、グループホーム利用者でもある人の収支例です。

事例 収入(万円) 収入内訳(万円) 支出(万円) 支出内訳(万円) 収支(万円)
東京都区部の事例 14.55 年金 6.5
区の福祉手当 1.65
国と都の家賃助成 3.4
区の家賃助成 3
11.5 家賃 7
食費・光熱水費・日用品費 4.5
3.05
地方都市の事例 7.5 年金 6.5
国の家賃助成 1
4.6 家賃 1.8
食費・光熱水費・日用品費 2.8
2.9
障害基礎年金2級受給者であり、グループホーム利用者でもある人の収支例

「収支(万円)」にあるように、多くの場合は東京都区部でも地方都市でも収入が支出を上回っているようです。

ただし、上の表の「支出」には医療費や遊興費が含まれていませんので、これらの費用は別途準備が必要になります。

また、例外的に家賃が高額だったり、多額の寄付が必要なところもあるので注意が必要です。

障害者支援施設の収支例

多くの場合、いわゆる入所施設は生活介護施設と併設されているため、それを考慮した収支についてお話します。

各施設の利用料は1割負担で、なおかつ上限値が設定されています。

具体的には、この記事の上の方にある表「世帯収入の状況に応じた負担上限月額の設定」のように設定されています。

食費や光熱水費などは実費だが、過度な負担にならないように月額2.5~2.8万円が手元に残るような補足給付がされます。

賃貸アパートなどに一人暮らしの場合

アパートで一人暮らしできるような障害者は、障害が軽く収入も多いと思われます。

そのため家賃に関する給付は基本的にはありません。

ただし、通所施設や福祉サービス(ホームヘルプなど)の利用料は、上限値が設定されています。

具体的には、この記事の上の方にある表「世帯収入の状況に応じた負担上限月額の設定」のように設定されています。

また、賃貸の際に保証人などが必要であれば、市区町村から委託された相談支援事業者がサポートしてくれたりもします。

親が遺した家を相続して暮らす場合

親が遺した家を相続して暮らす場合も「賃貸アパート」の場合と同程度の支援になります。

家に関する給付は基本的にはありません。

ただし、通所施設や福祉サービス(ホームヘルプなど)の利用料は、上限値が設定されています。

具体的には、この記事の上の方にある表「世帯収入の状況に応じた負担上限月額の設定」のように設定されています。

持ち家は家賃が発生しないので経済的にも楽だと思うかもしれません。

ですが実際には、固定資産税や家屋の修繕費も発生しますし、マンションの場合は管理費・修繕積立金なども必要になるので注意が必要です。

おわりに

まとめ

いかがだったでしょうか?

この記事では、知的・発達障害者の的・発達障害者の支出の事例についてお話しました。

前回の記事でお話したような支出軽減支援によって、生活保護レベルの収入しかない場合であっても、手元に3万円弱が残ることがわかりました。

次回は、生活費の軽減策についてお話します。

 

 

感想

きちほーしの子ども、キチノは知的障害があります。

以前きちほーしは調査したときは、障害者の収入が生活保護レベルだと知って不安を感じていました。

ですが障害者は経済的に手厚く支援されていることが分かり、少し安心できるようになりました。

 

ただ、経済的な心配がないからと言ってまだまだキチノが幸せであるとは限りません。

幸せを実感できるほど社会の役に立つ目処は立っていませんし、幸せを妨害するようなものから身を守るすべも身についていません。

 

今後これらを身に着けさせることがきちほーしのするべきことかなと思います。

 

 

(参考)書籍概要

タイトル

障害のある子が「親なきあと」にお金で困らない本

著者

渡部 伸

概要

知的障害を持つ子の親であり行政書士でもある筆者が、知的障害者を守る社会的セーフネットや親が生前出来ることについて分かりやすく解説しています。

目次

第1部 「親なきあと」の収入と支出を知ろう(障害基礎年金の仕組み;暮らしの場によって変わる収支;毎月の固定費を軽減する;定期的な通院や病気になったときの医療費の支援制度)
第2部 「親なきあと」の経済的に困らない仕組みを考えよう(子どもの生活を支える資産の残し方;日常のお金を管理するために;ひとり残った子どもの経済的なサポート策;ケーススタディ・「親なきあと」のお金の問題)