このシリーズではでは、療育の書籍「誤学習・未学習を防ぐ! 発達の気になる子の「できた! 」が増えるトレーニング」についてグッと要約してお話します。
発達の遅れで子どもの困った行動にお悩みの親御さんはぜひご参考ください。
今回は前回に引き続き障害ある子のコミュニケーション力アップに関するお話です。
障害ある子も将来は仕事をします。
そんな時に上司に報告できなかったり、上司の指示に従えないのは問題ですよね。
今回は作業の完了を報告させたり、決定権が親や先生にあることを理解させる方法についてお話します。
なお、紹介書籍には説明が省略されているところも多々あるので、随時きちほーしの解釈を追記している場合もあります(追記していることは明記しています)。
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アイスブレイク
(今週のお題「本棚の中身」)
アイスブレイクではきちほーしのことをよく知ってもらうため、はてなブログの「今週のお題」をヒントに、本題と少し外れたお話をします。
今週のお題「本棚の中身」です。
きちほーしが持っている本はこんな感じです。
「カフェインの真実」についてはおそらくポイントはもう読み終わっていると思います。
それでもまだ8割近く読んでいないところが残っています。
なんとなくですが外国の本、特にアメリカの本は関連エピソードがこれでもかと書かれていて時々ポイントがちょこっと書かれている感じがします。
「カフェインの真実」の場合も数十ページにおよぶエピソードがいくつもあります。
この中に数十ページのエピソードの中にポイントが混ざっていることもあるので無視もしにくいんですよね。
うーん。やっぱり売りに出しちゃおうかな。
はじめに
どうも!きちほーしです!
障害ある子はコミュニケーションがかなり苦手です。
健常児が自然と学んでいけることでも障害ある子は丁寧に教えて上げる必要があります。
小さい頃は見逃すことができても、大人になって働く頃になっても苦手なままでは社会を生き抜くことも難しいですね。
作業が終わっても上司に報告できなかったり、上司の指示を無視していては社会で生きていくことはできません。
このシリーズでは、書籍「誤学習・未学習を防ぐ! 発達の気になる子の「できた! 」が増えるトレーニング」についてお話します。
今回は上に挙げたようなコミュニケーション力をアップさせる方法についてお話します。
なお、紹介書籍には説明が省略されているところも多々あるので、随時きちほーしの解釈を追記している場合もあります(追記していることは明記しています)。
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誤学習・未学習を防ぐ! 発達の気になる子の「できた! 」が増えるトレーニング カテゴリーの記事一覧 - きちほーし知的障害者支援できるかな?
本記事の範囲
この記事では2章「心を育て、「わかった」「できた」を増やすトレーニング&療育」の1部について要約してお話します。
コミュニケーション力をアップする方法
上質なコミュニケーションの療育としては以下があります。
- 物を受け取って「ありがとう」が伝えられるようになろう
- 「どうぞ」と言ってモノを渡せるようになろう
- 「手伝って」を伝えられるようになろう
- できたら「できた!」と伝えられるようになろう
- 自分のものと他人の物の区別をつけれるようになろう
- 決定権が先生や親にあることを理解できるようになろう
この記事では4~6について説明していきます。
1~3については前回の記事をご参照ください。
【自宅療育できるかな?】「ありがとう」「手伝って」を言えるようにしよう -書籍「誤学習・未学習を防ぐ! 発達の気になる子の「できた! 」が増えるトレーニング」のご紹介12
できたら「できた!」と伝えられるようになろう
作業完了の報告は、学校や職場など色んなシーンで必要になります。
だから作業の完了を伝えられるようにしましょう。
作業完了の報告には以下2つのポイントがあります。
- 作業の完了を子ども自身が判断すること
- 作業の完了「できました!」を伝えること
やり方
- 子どもに作業をさせる。
- 作業をやり終えたときに、大人の方から「『できました』って言うんだよ」と「できました」を言わせる。
- 何度か言わせても自分から言わない場合は、大人の方から「でき…?」と誘導する。
- 子どもが「できた!」といった場合は、大人が「『できました』だね」とさとす。
- 慣れてきたら子どもと距離をあけて、自ら報告するのを待つ。
ポイント
- 子どもが大人の顔色を見て完了の判断をする場合があります。
あくまでも自分で判断させましょう。 - 大事なのは報告させることなので、でき具合の評価は後回しにしましょう。
- 子どもが完成したものを壊すと作業終了と誤学習している場合があります。
その場合は壊す前に手を膝にさせましょう。
自分の物と他人の物の区別をつけれるようになろう
他の子供のおもちゃを取り上げてしまうのは自分の物と他人の物の区別がついていない可能性が考えられます。
子どものおもちゃであればまだ大きな問題ではないですが、大人になったときに区別がついていないようでは社会生活は困難です。
自分の物と他人の物の区別をつけれるようにしましょう。
やり方
この教え方はこれまでのように手順があるわけではなく、その都度教えるケースが多いと思います。
以下ではやり方のポイントをお話します。
- 子どもが他人の物を触ろうとしたら「これは○○ちゃんの物です」と言って触らせないようにする。
- 大人が気づく前に子どもが勝手に取ったら、大人が一緒に持ち主の所へ行って「借りてもいい?」と許可を得る見本を見せる。
ポイント
- 例え父母や祖父母のような身内であっても勝手に使わないようにさとしましょう。
日頃から勝手に使うことに慣れてしまわない工夫が大事です。
決定権が先生や親にあることを理解できるようになろう
学校や職場など、社会に出ると決定権が自分にない場合がよくあります。
人の指示が聞けない子どもの中には決定権は常に自分にあると思いこんでいる場合が少なくありません。
決定権が先生や親にあることを理解できるようにしましょう。
やり方
この教え方はこれまでのように手順があるわけではなく、その都度教えるケースが多いと思います。
以下ではやり方のポイントをお話します。
- 「これを決めるのはお母さんです」と伝える。
- 大人がやることまで子どもがやろうとする場合は「ありがとう。でもコレはお父さんの仕事だからね。」と伝える。
ポイント
- 共感してからさとすと伝わりやすくなります。
- 例えば、外出先から帰りたくない子には「もっと遊びたかったね」と共感し「もう晩ごはんだから帰ろうね」と伝える
- それでも帰ろうとしない場合は「決めるのはお母さんよ」と伝える
- 自分に決めさせてもらえず泣いてしまったり部屋から飛び出してしまう場合もあります。
- ここで妥協すると「泣いたり部屋から飛び出せば言うことを聞いてくれる」と誤学習してしまいます。
- 子どものくやしい思いに共感しながら「それはお父さんが決めることです」と伝えましょう。
(こぼれ話)キチノの場合を考えてみた
今回挙げた3つをきちほーしの子どもキチノに当てはめて考えてみます。
どれもある程度はできているけれどまだまだ教えなければいけないことがたくさん残っている、そんな状態です。
作業の完了はわかっているけれど報告が身についていない
「できた!」については、作業の完了は判断できているでしょうが「できた!」を伝えることはできていません。
というより作業が終わると脱兎のごとく作業から離れようとします。
次からは作業が終わったら逃げる前にガッと捕まえて「○○できました!」と言わせるようにします。
また、今やらせている作業はドリル1ページとか終わりがわかりやすいものです。
絵を描かせるといった終わりがわかりにくいものもあるでしょうから、そういうものも作業の中にいれてもいいかもしれません。
他人の物に手をださないけれど、自分の物とそれ以外の区別があやふや
自分の物と他人の物の区別については、ある程度できてはいるようですがまだまだです。
まずおもちゃがたくさんある公共施設で遊んでいて、他の子が自分のおもちゃを持っていこうとすると阻止しようとします。
そして他の子が使っているおもちゃには、手を出そうとしません。
その辺の線引は理解しているようです。
ですが使っている使っていないの区別があやふやなようで、数秒放置していたただけで持っていってしまうこともあります。
また時々公共のおもちゃと私物のおもちゃが区別できていないようにふるまうこともあります。
他人の物に手を出してはいけないことはわかっているけど、どういうのが他人の物かはハッキリ理解できていない印象です。
その定義を障害ある子に教えるのはなかなか難しいので、その都度「これはあの子の物」「これはキチノの物」と教えるしかなさそうですね。
反抗するが最終的に親の言うことを聞く
「決定権」についても、キチノはある程度理解しているけど反抗しているようにも見えます。
例えばキチノはきちほーしが課した日課の作業をやりますし、「寝る時間だよ」というと寝る準備に入ります。
ただ、実行する前に必ずダンスをしたりあっちこっちをうろついたりして、なかなか実行しようとしません。
しばらくダンスやうろつきを見守ってからきちほーしが「課題しようね」とか「おやすみなさいだよ」と言うとようやく実行します。
おそらく最初はちょっとした反抗でダンスやうろつきをしたのでしょう。
ですが、いつしかこれをしないと実行できないように誤学習したのかもしれません。
今後はダンスやうろつきを徐々に減らさせようと思います。
おわりに
いかがだったでしょうか?
今回の記事は、障害ある子のコミュニケーション力を上げる方法についてお話しました。
ポイントはこんな感じです。
- できたら「できた!」と伝えられるようになろう
- 作業の完了を自分で判断することと、報告することの2つがポイント
- 自分の物と他人の物の区別をつけれるようになろう
- たとえ身内の物であっても普段から「これは○○さんの物です」と都度教えることがポイント
- 決定権が先生や親にあることを理解できるようになろう
- まずは「○○したかったんだね。でも△△しようね」と共感の後にさとすことがポイント
- それでも言うことを聞かなければ「決めるのはお父さん(お母さん)です」と言いましょう
ではまた!
(参考)書籍概要
タイトル
誤学習・未学習を防ぐ! 発達の気になる子の「できた! 」が増えるトレーニング
著者
橋本 美恵, 鹿野 佐代子
概要
この本は、数や時間、お金の概念など社会で生活するための具体的な方法をイラスト入りでわかりやすく説明してくれています。
目次
【目次】
1章●「誤学習」「未学習」が大人になってから困る原因に?
(1)発達障害の大人の相談からわかること
(2)成長してから、行動を変えるのは難しい?
(3)子どもへの関わり方、この方法で大丈夫?
2章●心を育て、「わかった」「できた」を増やすトレーニング&療育
・「座って学ぶ」ができると学習がスムーズになる
・「食べる」方法を工夫して偏食を減らそう
・数の世界へようこそ! 数字の並びを覚えよう
・1~10のタイルを3回並べて、「位」の理解につなげよう
・お金を「持って」「使う」は自立の第一歩
・時計を作って「時間」と「生活」をつなげよう
・困った時に「手伝って」を伝えられるようになろう
・自分の物と他人の物の区別を身につける
・折り紙の「やっこさん」で指先の感覚を磨く
・字と字を合わせてひらがなを学ぼう
・「料理」には子どもの力を伸ばす要素がいっぱい
・「片足立ち」は自分でズボンや靴を履くチャレンジ
・和式トイレも怖くない! 「あひる歩き」
・走りながらやり遂げる力を身につける「マラソン」
3章●発達障害のある子の子育て、よその家族はどうしている?
・「発達障害」と診断されて
・イライラと自己嫌悪
・何気ない言葉が辛い……
・療育への一歩を踏み出して
・中学生・高校生になったら