中度知的障害で視覚優位のわが子キチノにオンライン教材の「すらら」をやらせてみたところ、今までの教材の中で一番良さそうだと思いました。
知的障害のお子さんをお持ちの親御さんはぜひご参考ください。
- はじめに:知的障害者が勉強する意義について
- なぜデジタル教材を選んだのか?
- なぜすららを選んだのか?
- すららをやらせてみた
- お子さんがすららにハマるかどうかは音の出る絵本で試してみよう
- まとめ
- おまけ
はじめに:知的障害者が勉強する意義について
きちほーしの子どもキチノは中度知的障害があります。
将来は障害施設で過ごすことになるから勉強なんて意味ないんじゃないかと思うこともありました。
ですが最近考え直すようになりました。
例えば学力がつかないとお金の計算もできず、買い物一つできない不自由な生活を強いられます。
支援者が買い物の世話をやってくれるでしょうが、支援者だって24時間支援してくれるわけではありません。
支援者も病気や休暇でいなくなる時もあるし、深夜コンビニで何か買おうと思ってもつきあってくれるとは限りません。
逆に計算ができるようになれば支援者に頼らず買い物ができるようになります。
文章を理解できるようになれば誰に教えてもらわなくてもネットで知識を得ることができます。
学力が上がっただけ自立生活の幅が広がり、自由な活動の幅も広がるのです。
うまくいけば高等特別支援学校に入って就労先の幅を増やせるかもしれません。
入れなかったとしても就労先で活躍できる場が増えると思うのです。
障害者に限らず活躍できる場が増えることは人生の幸福度を上げてくれます。
知的障害が重くても、自立生活と幸福度を上げるために勉強する意義はあると思うのです。
なぜデジタル教材を選んだのか?
これまでも学校の教科書や市販の問題集を使ってキチノに勉強を教えてきましたが今ひとつ効果がありませんでした。
ところがある日、問題付きの音の出る絵本が出す計算問題にキチノがハマっているのを見ました。
音の出る絵本は問題の正解音「ピンポン♪」と不正解音「ブブー!」を出していて、これがハマった理由かなと思いました。
「ピンポン♪」「ブブー!」があって、もっと高度な問題を出してくれるデジタル教材ならキチノの学力がアップするかもしれない。
そう思ってすららをやらせてみたところバッチリハマったのでした。
なぜすららを選んだのか?
オンライン教材といえば他にも進研ゼミのスマイルタッチやスタサプなんかもあります。
ですがそれらは説明が中心、つまり言葉中心で教えてくれます。
どんなにわかりやすい言葉を使ってくれても、視覚優位で二語文・三語文程度しか理解できてないわが子キチノは理解ができません。
でもすららは視覚的な実践を交えて教えてくれるので、キチノにはぴったりだったのです。
すららをやらせてみた
言葉でなく体で理解させてくれる
例えば割り算の教材。
上のような教材で割り算を体感させてくれます。
この教材は「動かせる教材」で、12枚のクッキーをマウスやタッチパネルで動かすことができます。
※すららはパソコンでもタブレットPCでも使えます
子どもには12枚のクッキーを3つの袋に均等に振り分ける作業をさせることで、12÷3を体感させることができます。
こういった体で覚えさせる教材が豊富に用意されているので、視覚優位のわが子キチノにはピッタリです。
ちなみに上の教材は体験版になっているので、試してみるといいでしょう。
やっぱり「ピンポン♪」と「ブブー!」は効果的!
作業の間は楽しいBGMが流れ、クッキーの振り分け方があっていれば正解音「ピンポン♪」が、間違うと不正解音「ブブー!」が鳴ります。
「ピンポン♪」と鳴れば笑顔になって自分で拍手をし、「ブブー!」が鳴るのを(必要以上に)警戒していました。
キチノは「ピンポン♪」のために正解を出そうとし、「ブブー!」を恐れるあまり間違いがないか確認しようとしていました。
つまりそれだけ真摯に問題に向かっていたのです。
この正解音・不正解音の影響はおそらく知的障害がある多くのお子さんもそうでしょう。
親が教えるよりも何倍も身についてる!
以前はきちほーしも学校の教科書や市販の問題集を使って勉強を教えていました。
支援校でも国語算数を教えてもらっているし頑張れば身につくでしょう、と思っていましたが数年経っても身についてる実感はありませんでした。
きちほーしもパソコンを使ってなるべくわかりやすい教材を作ったりしていたのですが、なかなか理解してくれません。
例えば110円のお菓子が手持ちの100円玉より多いか少ないか。
これを理解しないと買物もできないので一生懸命教えていたのですが、そもそも「多い」「少ない」の意味もわかっていないようでした。
きちほーしも何度か「多い」「少ない」を理解させようと頑張りましたが、ついに理解させることができませんでした。
しかしすららの体で覚える教材によってキチノは「多い」「少ない」の意味を理解できるようになってきました。
「これは多いかな?少ないかな?」の問題が解けるようになってきました。
きちほーしが教えるよりも何倍もの学習効果です。
もっと早くやらせておけばよかった!!!
親は何もしなくていいわけではない
キチノはこれまでにないくらいすららにハマってくれました。
教材の内容はキャラクターが説明してくれます。
じゃぁ親(きちほーし)は何もしなくていいかというとそうではありません。
まず親が毎日決まった時間にすららを始めるように呼びかけます。
理想は親がやめなさいと言うまで1時間でも2時間でも勝手にやってくれることですが、そこまでハマってはくれていません。
決まった時間に呼びかけて椅子に座らせて教材に取り組むよう促します。
そして教材に取り組んでる最中も親の補助が必要です。
すららは作業内容をかなりわかりやすく説明してくれますが、それでもキチノが理解しきれていないことがあるので補助が必要です。
「さっきは左から多い順に並べてたけど、今度は右から並べるんだね」みたいに補助してあげるといいです。
お子さんがすららにハマるかどうかは音の出る絵本で試してみよう
すららについては数年前から知っていましたが特に気にかけていませんでした。
そのきちほーしが、数年ぶりに注目するようになったのは問題付きの音の出る絵本にキチノがハマっているのを見たからです。
そして音の出る絵本の「ピンポン♪」と「ブブー!」がポイントかなと思いすららをやらせてみたところバッチリハマったのでした。
すららも結構費用のかかる教材ですので、ハマるかどうか確認したい場合は、まず問題付きの音の出る絵本で試すといいかもしれません。
まとめ
視覚優位の中度知的障害のキチノがはまったオンライン教材「すらら」についてお話しました。
すららは動かせる教材が豊富で、計算の意味を言葉ではなく体で理解させてくれます。
「ピンポン♪」「ブブー!」の効果音は効果的で、子どもが真摯に問題に向き合ってくれます。
きちほーしも教科書や問題集で教えてきましたが、すららはその何倍も効果的です。
とは言え、親が子ども取り組ませるように促したり作業中に補助してあげることが必要で、何もしなくていいわけではありません。
お子さんが子供向けの音の出る絵本にハマるなら、すららにもハマる可能性は高そうです。
学力が伸びれば自立生活の幅も増えるし、うまくいけば高等特別支援学校に入れて仕事で活躍できるかもしれません。
知的障害が重くても勉強する意義はあると思うのです。
一度すららを試してみてはいかがでしょうか?
ではまた!
おまけ
(今週のお題「外でしたいこと」)
ここではきちほーしのことをよく知ってもらうため、はてなブログの「今週のお題」をヒントに、本題と少し外れたお話をします。
今週のお題は「外でしたいこと」です。
外でしたいこと。
う~ん。
在宅勤務しているのでワーケーションには憧れますねぇ。
…と言いたいところですが、よく考えるとそうでもありません。
一人作業が多いのでたとえ外で仕事してもずーーーーーっとPCに向かって黙々と作業しているのは容易に想像がつきます。
つまり仕事の間中、自分の世界はPCの中だけなのです。
これじゃ旅先にいようが自宅にいようがあんまり変わりませんね^^;。
ワーケーションをしっかり味わえるのは仕事が終わった後になります。
その頃には外が真っ暗になって出かける先も出かけられる時間も限られてくるでしょう。
だとするとわざわざ仕事で旅先に行くより、しっかり休みを取って旅先に行ったほうが良さそうです。