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【本の紹介できるかな?】障害者たちが作るフレンチレストラン1 – 書籍「障がい者だからって、稼ぎがないと思うなよ。」1


障がい者だからって、稼ぎがないと思うなよ。 ソーシャルファームという希望 [ 姫路 まさのり ]

このシリーズでは、自律的に働く障害者たちにスポットを当てた書籍「障がい者だからって、稼ぎがないと思うなよ。」についてグッと要約してお話します。

この書籍では喜びと誇りを持って働いている障害者たちを紹介しています。

 

ここで登場する障害者たちはどうやって成功したのでしょうか?

それぞれがどんな活躍をしているのでしょうか?

 

今回は「予約の取れないフレンチレストラン」についてお話します。

 

アイスブレイク

今週のお題「あったかくなったら」)

アイスブレイクではきちほーしのことをよく知ってもらうため、はてなブログの「今週のお題」をヒントに、本題と少し外れたお話をします。

今週のお題は「あったかくなったら」です。

 

ここんとこかなり寒いですね。

在宅で仕事をしていますがそれでもかなり寒いです。

とゆーわけであたたかくなったら「外で仕事をする」というのがやりたいです^^。

 

自然公園とかそういうのですね。

ただ、最近は春とか秋とかが短くなっているので、気がつけば外に行きたくないくらい暑くなってるかもしれませんが…。

 

 

書籍概要

タイトル

障がい者だからって、稼ぎがないと思うなよ。 ソーシャルファームという希望

発売日

2020/03/17

著者

寺本 晃久, 岡部 耕典, 岩橋 誠治, 末永 弘

概要

障がい者は低賃金が当たり前って、おかしくない?
予約の取れないフレンチレストラン、年商2億円、奇跡のクッキー工場、IT、ワイン醸造にアートetc

「稼いで自立」の成功例を紹介する、とっても大事な「お金」の話。

目次

  • CASE1 10万円で働き方が変わる ──予約の取れないフレンチレストラン──
  • CASE2 生きがいの分配 ──年商2億円に届いた奇跡のクッキー──
  • CASE3 福祉×芸術=アール・ブリュット ──試みの先にあるもの──
  • CASE4 ワインとIT ──本当の自立とは何か──

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はじめに

知的障害ある子どもキチノの将来が心配

どーも!きちほーしです!

きちほーしの子どもキチノは知的障害があります。

だからキチノの将来がとても心配です。

 

知的障害者の将来は6割以上が「社会福祉施設等」に入所あるいは通所するとのことでした

社会福祉施設にも色々ありますが、その中でも就労を伴うのが就労継続支援施設。

おそらくキチノはここに入所か通所することになるでしょう。

 

就労継続支援施設での仕事は、空き缶つぶしや100円商品の袋詰めから、お弁当・お菓子の製造・販売まで。

障害者には仕事を勝ち取れるようになってほしい

前者の方は、工場の機械でもできる仕事です。

それをわざわざ人手の作業にしてもらっています。

また、お弁当を買うお客さんにインタビューをしているYoutubeを見たところ、どうもお弁当が買いたいというより寄付の意味合いが強い印象を受けました。

 

言葉を選ばずに言うと、人の善意で仕事を与えてもらっているという印象です。

 

就労継続支援施設は一般企業に移行するための訓練施設という位置づけなので、訓練のために仕事を与えてもらうのは正しい姿でしょう。

ですが、ほとんどの人が就労継続支援施設から移行できないため、実質的には知的障害者たちの終の職場になっているのです。

終の職場で働く人たちには、仕事を与えてもらうのではなく、仕事を勝ち取れるようになってほしいというのがきちほーしの願いです。

 

健常者に負けないくらい働ける適職を探したい

本当に知的障害者は仕事を与えてもらわないといけないのでしょうか?

知的障害という個性を活かして健常者に負けないくらい働ける適職がないのでしょうか?

 

参考にしようときちほーしが見つけたのが、障害者による「稼いで自立」の成功例を紹介する書籍「障がい者だからって、稼ぎがないと思うなよ。 」です。

この本では、障害者たちが「稼いで自立」にいたるまでをまとめたドキュメンタリーな内容になっています。

雑誌の記事のように取材したことを淡々と書くのではなく、文章に味付けをして障害者たちがとてもカッコよく描かれています^^。

 

登場する障害者たちはどうやって成功したのでしょうか?

それぞれがどんな活躍をしているのでしょうか?

 

今回は「予約の取れないフレンチレストラン」の事例についてお話します。

本記事の範囲

この記事では「CASE1 10万円で働き方が変わる ──予約の取れないフレンチレストラン──」の一部を要約してお話します。

ほのぼの屋: 障害者たちによる予約の取れないレストラン

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今回お話するのは、予約の取れないフレンチレストラン「ほのぼの屋」です。

カンタンに紹介するとこんな感じです。

  • フランス料理店「ほのぼの屋」(京都府舞鶴市
  • ディナーは5,000円~11,000円
  • 知的・精神・身体障害者20名ほどが働く
  • 2002年のオープン以来、市内外から年間1万人以上が訪問する人気店

訪問するお客は、同情や慰みではなく、純粋に料理やお店の雰囲気を味わうために訪れているようです。

 

以降は、このほのぼの屋で働く人たちそれぞれのエピソードをお話します。

創業者・西澤心さんのエピソード

(イラストはイメージです)

 

西澤心さんは、フレンチレストラン「ほのぼの屋」の創業者であり支配人です。

西澤心さんは健常者。

本当は障害者の活躍ぶりを中心にお話したいのですが、それでも西澤さんのエピソードはとても興味深いのでお話します。

ここでは、西澤さんが「ほのぼの屋」を創業するまでの経緯についてお話します。

学生時代に疑問を抱く「障害者の収入はあまりにも低い」

西澤さんは学生時代に障害者施設でアルバイトをした経験があり、そこで疑問を感じたそうです。

新人だった西澤さんは失敗続きでも月10万円の給料をもらっていました。

一方で自分よりも年上の障害者たちが月8千円程度しかもらっていなかったのです。

本人たちもやっぱり不満だったんだ

西澤さんは1987年に障害者施設である共同作業所の職員となりました。

(*きちほーし調査)共同作業所は、今で言う就労移行支援施設や就労継続支援施設に相当する施設のようです。

そしてある障害者が「もうちょっともらわれへんかな?」と漏らしたのを聞いて嬉しく思いました。

本人たちもやっぱり不満だったんだ。自分が思っていることに賛同してくれるんだ、と。

月収10万円をめざす

1997年ごろのことでした。

西澤さんは作業所の皆にアンケートを出しました。

  • 「新しい仕事を始めようと思うけど、どんな仕事をしたいですか?」
  • 「どれくらいの給料があれば暮らしていけますか?」

 

仕事については圧倒的に「お店屋さん」でした。

そして給料については3千円~100万円まで色々ありました。

その中でも西澤さんが注目したのは、グループホームから通う人が「4~5万円」で合致していることでした。

 

その人たちに意見を聞いてみると、こんな感じでした。

  • 現状の月収は8万円(障害者年金を含む)。
    家賃と食費で消えてしまい、缶コーヒーを買うお金も残らない。
  • 給料4~5万円あれば月収10万円を超え、将来を考えられる。

西澤さんは「将来を考えられる」ということに胸を打たれ、給料5万円(月収10万円)を目標に定めました。

(*きちほーしの余談)障害者の月収は今も月8万円

西澤さんのエピソードは1997年頃の話で、20年以上も前の話です。

20年も隔たりがあればさすがに障害者の月収も変わるだろうと思っていましたが、今と変わってないようですね。

障害等級2級で、就労継続支援施設B型で働く人の月収は、2021年度の例で月収8万円ほどでした。

以前投稿した記事を振り返ってそれを確認しました^^。

2021年度の障害者年金は、障害等級2級で年78.1万円。

月に換算すると6.5万円ほどです。

 

そして就労継続支援施設B型の収入は月1.5万円。

合わせて8万円になります。

 

もちろん物価も変わっているでしょうから、月収が同じだからと言って暮らしぶりも同じとは限らないでしょうけどね…。

月収が変わると意識も変わった

「お店屋さん」で「給料5万円」を目指し、西澤さんは古本屋を営む作業所を開設しました。

そして古本業だけでは5万円には届かないので、いろんな仕事をかき集めてきました。

不燃ごみの選別作業、古本屋の店番、新聞配達、工務店の工場、などなど。

 

そうしてスタートして半年ほどで給料5万円を達成したそうです。

そして給料があがるにつれて、障害者たちの意識が変わっていくことを実感したそうです。

 

初めてジーパンを買うところから始まり、少しずつおしゃれに目覚め、身だしなみにも気をつけるようになりました。

そして外で飲みに出かけるようにもなったのです。

 

給料が8万円を超えると、将来の夢を語るようになりました。

車を買うとか、一般就労にチャレンジするとか、結婚するとか、一人暮らしをするとか。

 

そして10万円を超えると、「お金をもらっている」「自分はお客様のために働く」といった責任が芽生えるようになったのです。

(つづく)

 

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