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「完璧なリーダーを超越する」:宇宙兄弟から学ぶ愚者風リーダーシップのすすめ - 書籍「宇宙兄弟 『完璧なリーダー』は、もういらない。」ポイントピックアップ2

本シリーズでは、あなたのリーダーシップを変革し、理想的なチームを築くための方法について、書籍「宇宙兄弟『完璧なリーダー』は、もういらない。」から抜粋したポイントを厳選してご紹介します。

私たちは、完璧なリーダーシップよりも、より意義のあるアプローチを探求しています。

前回の記事では、賢者風と愚者風の2種類のリーダー像についてご紹介しました。

今回は、それぞれのリーダーの特徴やメリットについて詳しくお話していきます。

具体的には、賢者風の問題点と愚者風の利点について論じていきます。

さらに、愚者風リーダーがどのように対立者の視点を考慮し、トラブルを解決するのかについても取り上げます。

また、チームのプロセスが進む中で変化する姿についても触れます。

最後にまとめでは、本シリーズの範囲と主要なポイントをおさらいし、あなたのリーダーシップに新たな視点を提供します。

魅力的なリーダーシップを発展させるために、宇宙兄弟から得られる教訓に耳を傾けましょう。

 
 

 

本記事の範囲

第2章「愚者風リーダーシップのススメ」のポイントをピックアップしてお話します。

世の中には2種類のリーダーが存在する(再掲)

 



再掲になりますが、世の中のリーダーは大きく2種類あります。

筆者は片方を賢者風リーダー、もう片方を愚者風リーダーと呼んでいます。

賢者風リーダー・愚者風リーダーとは?

賢者風リーダーは「みんなついて来い!」みたいな感じでメンバーを引っ張っていくリーダー。

誰よりも優秀で自信にあふれ、とっても頼りになる。

大勢の中から選ばれたヒエラルキーのトップに立つ人間。

 

愚者風リーダーは「みんなどうしたらいい?」みたいな感じでメンバーに支えてもらうリーダー。

一見優秀には見えない。だけど一緒にいるとなぜかうまくいく。

そして愚者風リーダーは誰でもなれる。

「愚者のように振る舞う」という意味ではなく、「賢者のように振る舞わない」という意味です。

愚者風リーダーのすすめ

筆者は「これからは愚者風で行こうよ!」と言っています。

どうしてでしょうか?

 

今回は賢者風リーダーの何が問題で、愚者風リーダーの何がいいのか?

詳しくお話していきます。

(*きちほーしの補足(再掲)) 「賢者風」「愚者風」はリーダーだけではない

これも再掲です。

書籍では「賢者風リーダー」「愚者風リーダー」を単に「賢者風」「愚者風」と呼ぶ時もあります。

ただ、それをリーダーに対してだけでなく、チームやメンバーに対しても使っている時があります。

書籍では「賢者風チーム」「愚者風メンバー」と明記しているわけではありませんが、このシリーズでは状況に応じて明記していきます。

「愚者風」のすすめ

筆者は「これからは愚者風でしょ!」と結論づけています。

「愚者風」が良いのはリーダーに限らず、メンバーやチームや考え方も。

愚者風は何がいいのか?逆に賢者風は何が良くないのか?

もう少し具体的にお話していきます。

賢者風リーダーは、しんどい

前述のように賢者風リーダーは「誰よりも」優秀で頼りになる存在です。

だから誰よりもチームの成果にエネルギーを注がなければなりませんし、主導権争いにもエネルギーを注がなければなりません。

それに自分が優秀であるため、「これぐらいできて当然」と他人にも同レベルの仕事を求めます。

賢者風リーダーは、リーダー自身も、周囲のメンバーもしんどいのです。

愚者風リーダーは、出番が来た時だけリーダーシップを発揮する

愚者風リーダーは「ここは自分の得意分野の出番だな」と思ったときだけリーダーシップを発揮します。

だからリーダーのポジションは固定ではなく持ち回り。

主導権争いはないので、チームの成果に全力を注ぐことができます。

賢者風チームは、発言力が偏る

賢者風リーダーが率いる賢者風チームでは、1~2名の優秀なメンバーに発言力が偏りがちです。

 

優秀でない他のメンバーは否定されるか論破されて、軽視されがち。

結果的に他のメンバーは何も発言しないか、優秀なメンバーに同調するだけ。

 

たとえ発言力のあるメンバーと対立する意見を持っていたとしても、遠慮してしまうことも少なくないでしょう。

愚者風チームは、意見の幅が広がる

一方で愚者風リーダーがいる愚者風チームは、発言力が平等。

たとえ一人だけ皆と対立する意見が飛び出しても「どうしてそう思ったのか?」と耳を傾けてくれます。

少数派の意見であっても発言できるので、様々な視点の意見が飛び出し、意見の幅が広がります。

愚者風リーダーは、まず対立者の視点で見ようとする

愚者風リーダーは、自分たちに批判的な人たちに対しても耳を傾け「なぜ相手がその視点を持ったのか?」を理解しようとします。

そして次に自分がなぜその視点を持ったのか、理解してもらおうとします。

 

同じ物事でも立場が違えば見え方が異なります。

だから対立意見が出るのは当然で、どっちも正しいのです。

だから意見が対立したときは、相手を批判したり論破することではなく、「なぜ相手がその視点を持ったのか?」を理解することから始めると良いでしょう。

その他

 

 

賢者風チームが陥りやすい「正解」の罠

賢者風チームはリーダー以外の意見は軽視されがちで、リーダーが間違ったことを言おうものならライバルに突き上げられます。

その結果エネルギーが「正解」へ至るための理論武装に注力され、脱線も許されない雰囲気になります。

その結果、奇抜なアイデアや意外な意見が抑えられてしまい、視野が狭くなりがちです。

 

逆に愚者風チームは正解でなくてもいいし、各メンバーが自分のなりの回答が出しやすくなります。

ゴールまでのプロセスで、チームの形が変わる

漫画「宇宙兄弟」ではJAXAの選抜試験で受験者15人が3チームに分かれ共同生活をするエピソードがあります。

共同生活の最終日には、各チームで最終選考者を自分たちで選びます。

共同生活の初日に、採点制による明確な選考基準を定めたチームは自然と主導権争いが発生し賢者風チームとなります。

その一方で明確な選考基準を定めなかったチームはリーダーも明確に決まらず、誰もが意見しやすい愚者風チームになりました。

 

漫画の作られたエピソードですが、選考基準を明確にすることで点取り合戦のチームになるというのは、なんとなく想像つきますね。

皆は選考基準という「正解」に向かってつき進むことになりますから。

このように、チームの形はゴールをどう定めるかによって変わるのです。

ラブルは解決(How)だけでなく原因究明(Why)も

賢者風/愚者風の区別なく重要なポイントですが、トラブルが発生すると多くの人はトラブルという現象を解決しようとします。

対処の手法ばかりにこだわって、原因究明がおろそかになりがちです。

そうなるとその場は問題が解決できても、また同様のトラブルが起こり得ます。

 

問題の原因を究明し、それをチームで共有するだけでも問題の解消につながります。

皆が納得できるベストなアイデアが生まれるかもしれませんね。

チームのコミュニケーションは質より量

チームメンバーとのコミュニケーションで得られるのは業務情報だけではありません、チームメンバーの個性もそうです。

スマホの待ち受け画面がなんなのか、どんなふうにくしゃみをするのか。

賢者風タイプは業務情報以外を非効率と考えて軽視してしまいがちですが、個性を知ることは誤解のリスクを減らし、理解されやすくなるというメリットがあるのです。

 

こういった個性はSNSのような言葉のやりとりだけでは得られません。

会議のような限られたシチュエーションでは得られるものも少ないし、賢者風チームだと発言力ある者が限られるのでなおさらです。

パーティや飲み会の「非効率な」コミュニケーションで相手の個性に興味を持つことが、意外と大事だったりするのです。

 

まとめ

今回は、書籍「宇宙兄弟 『完璧なリーダー』は、もういらない。」の第2章「愚者風リーダーシップのススメ」のポイントをピックアップしてお話しました。

ポイントは以下のとおりです。

  • 賢者風/愚者風とは
    • 誰もが優秀と認める賢者風と、優秀には見えない愚者風の2種類のリーダーがある
    • 賢者風リーダーは、チームの成果だけでなく、主導権争いにもエネルギーを注がなければならない
  • 賢者風のデメリット
    • 賢者風リーダーは、優秀であるがゆえにメンバーにも同等の優秀さを求めてしまう
    • 賢者風リーダーが率いるチームは、優秀な1~2名に発言力が偏りがちで、意見の幅も狭まる。
    • 賢者風リーダーが率いるチームは、「正解」を求めて脱線しにくい雰囲気になりがちで、奇抜なアイデアや意外な意見が抑えられてしまう。
  • 愚者風のメリット
    • 愚者風リーダーは、「ここは自分の得意分野の出番だな」と思ったときだけリーダーシップを発揮すれば良い。
    • 愚者風リーダーは、ポジションが固定ではなく持ち回りになる。
    • 愚者風リーダーが率いるチームは、少数派の意見も尊重されるので、意見の幅も広がる。
    • 愚者風リーダーは、まず対立者の視点で物事を見て、次に自分の視点で対立者に理解してもらおうとする。
  • その他
    • ゴールまでのプロセスで、チームが賢者風になるか愚者風になるかも変わる。
    • トラブルは、問題を解決することに注力しがちだが、原因をメンバーと共有することも大事。
    • パーティのような非効率なコミュニケーションでメンバーの個性に興味を持つことも大事。

次回は賢者風/愚者風の「チーム」について、もう少し詳しくお話します。

書籍概要

 

タイトル

宇宙兄弟 「完璧なリーダー」は、もういらない。

発売日

2018/03/20

著者

長尾彰

概要

人気コミック『宇宙兄弟』から学ぶ次世代リーダー論

 

チームづくりの専門家でもある著者・長尾彰氏が、

TVアニメや実写映画にもなった人気マンガ『宇宙兄弟』に

登場する数々のエピソードやセリフを引用し、

自分の強みを活かしながらリーダーシップを発揮する方法や、

理想のチーム作りを指南する!

 

目次

第1章 どんな人でも必ずリーダーになれる

第2章 愚者風リーダーシップのススメ

第3章 自分らしいリーダーシップを発揮するコツ

第4章 チームの成長とリーダーシップ

第5章 魅力的なリーダーが備えているもの

おまけ

今週のお題「やったことがあるアルバイト」)

ここではきちほーしのことをよく知ってもらうため、はてなブログの「今週のお題」をヒントに、本題と少し外れたお話をします。

今週のお題は「やったことがあるアルバイト」です。

 

きちほーしがやったことがあるバイトの中で思い出深いのは塾講師です。

今では塾といえば個別授業も多いようですが、昔は少なくても1クラスに5名以上の生徒がいました。

小・中・高それぞれのクラスをやっていましたが、一番やりやすかったのは小学生と高校生。

一番やりにくかったのは中学生でした。

 

小学生は素直できちほーしを好いてくれてとてもかわいい。

一方で中学生は素直な子もいるけれど、生意気盛りで反抗的な子が何人かいて、そういう子たちにどう対処するかで結構神経を使っていました。

高校生は「大学受験」というしっかりした目標があるので、先生に反抗したくなるエネルギーも「受験」に注いでくれます。

 

今のお受験事情はどんな感じでしょうか?

きちほーしの時代とだいぶ違っているんでしょうね。