人生はたったの4000週間。あなたは、限られた時間をどう過ごしますか?
自分の人生に満足していますか?
それとも、もっと充実した人生を送りたいと感じているのでしょうか?
ベストセラー「限りある時間の使い方」は、多くの人々の心を揺さぶり、自分自身の人生について深く考えさせます。
アダム・グラント、ダニエル・ピンクやNYタイムズ、WSJ、ひろゆき氏からも高い評価を受け、その影響力はますます広がっています。
本書では、4000週間という限られた時間を前提に、効率的に人生を充実させる方法について解説します。また、時間に追われる現代社会において、人々が抱える問題点や、その解決策についても触れています。
本記事では、限りある時間を前提に、あなたが本当にやりたいことに集中し、充実した人生を送るためのヒントをお伝えします。
さあ、あなたも自分自身の人生について真剣に考え、有意義な人生を手に入れましょう。
- 書籍概要
- はじめに
- 関連記事
- ポイントピックアップ: 現実を直視する
書籍概要
価格:1,870円 |
タイトル
発売日
2022/06/22
著者
オリバー・バークマン (著), 高橋 璃子 (翻訳)
概要
「限りある時間の使い方」は、人生の時間を有意義に過ごすための実践的な哲学書です。
効率的な時間管理には限界があり、本質的な問いに気づくことが大切です。
本書は古今の哲学や心理学、スピリチュアル思想を活用し、ウィットに富んだ語り口で読者を導きます。
強迫観念を捨て、自分の有限性を受け入れ、人生を充実させるためのヒントが満載です。
目次
- イントロダクション 長い目で見れば、僕たちはみんな死んでいる
- PART 1 現実を直視する
- 第1章 なぜ、いつも時間に追われるのか
- 第2章 効率化ツールが逆効果になる理由
- 第3章 「時間がある」という前提を疑う
- 第4章 可能性を狭めると、自由になれる
- 第5章 注意力を自分の手に取り戻す
- 第6章 本当の敵は自分の内側にいる
- PART 2 幻想を手放す
- 第7章 時間と戦っても勝ち目はない
- 第8章 人生には「今」しか存在しない
- 第9章 失われた余暇を取り戻す
- 第10章 忙しさへの依存を手放す
- 第11章 留まることで見えてくるもの
- 第12章 時間をシェアすると豊かになれる
- 第13章 ちっぽけな自分を受け入れる
- 第14章 暗闇のなかで一歩を踏みだす
- エピローグ 僕たちに希望は必要ない
- 付録 有限性を受け入れるための10のツール
はじめに
この本のタイトルは「限りある時間の使い方」。
これを見ると「効率の良い時間の使い方を教えてもらえる!」と思うかもしれませんが、内容は真逆です。
「効率ばかり追い求めたってろくなことになりません。時間はもっと有効なことに使うべきです。」と読者の目を覚ましてくれる本です。
筆者はイギリス全国紙ガーディアンの記者で、かつては効率を高めることで輝かしい未来が訪れると信じていた自称「生産性オタク」でした。
今はその生き方が間違っていることに気づき、この本を書くに至ったのです。
生産性オタクとは言わないまでも、現代人は誰しも生産性を追求しその結果不幸になっていることに気づいていないのです。
この本ではそんな不幸に陥りがちな現代人に警鐘を鳴らし、その不幸を回避するための秘策を伝えています。
このシリーズでは、何回かに分けて「限りある時間の使い方」のポイントをピックアップします。
この本は大まかに、PART1「現実を直視する」、PART2「幻想を手放す」、付録「有限性を受け入れるための10のツール」で構成されています。
今回はPART1「現実を直視する」についてまとめます。
次回はPART2「幻想を手放す」についてまとめます。
次々回は付録「有限性を受け入れるための10のツール」についてまとめます。
関連記事
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ポイントピックアップ: 現実を直視する
人生はたったの4000週間
人の寿命はだいたい80年。たったの4000週間。
古代ローマの哲学者セネカも「ようやく生きようかと思った頃には人生が終わってしまうのが常」と語るほど、人生の短さは古代から指摘されている。
なのに現代人はスマホに手を伸ばしSNSで多くの時間を潰している。
世の中はタイムマネジメントの本と生活をスムーズにするサービスで溢れ、自由な時間を作り出すかのように見えるが、誰も時間が増えたと感じていない。
どんなに大量の仕事をこなす人も、どんなに大成功した人も、どんな大金持ちも、実は人生に満足していない人が多い。
どうすれば限られある時間を有効に使えるのだろうか?
なぜ時間に追われるのか?
かつては時間に追われなかった時代があった
中世初期のイギリスの農民には時間というものが存在せず、「時間を節約しなければ」「時間を無駄にした」という問題はなかった。
乳が欲しければ搾乳をし、作物が実れば収穫作業をする、時間ではなく仕事が生活のリズムを刻んだ時代があった。
このような生き方であれば時間に追われはしない。できることは「小農民」に限られてしまうが。
時間で管理されるようになった時代
工業化の時代が始まり、工場では作業の流れを止めないように、決められた時間に一斉に働くスタイルが定着した。
生産量につながる「労働時間」が資源となり、サボる人は時間という資源の泥棒となった。
こうして、時間を無駄に使うことに罪悪感が生じるようになった。
効率化しても余裕は生まれない
効率化しても忙しさからは逃れられない
家電で家事を時短しても時間に追われ続ける。時間が空いた分だけ質の高い家事が求められるからだ。
仕事の効率を上げて時短しても時間に追われ続ける。有能な部下に上司が仕事を回してくるからだ。
便利なツールで効率よくなったが、やっぱり時間に追われ続ける。
よい例が電子メール。文通が紙から電子になって効率化されたが、その分世界中から処理しきれないメールが届くようになった。
よい例がマッチングアプリ。効率的に多くのお相手を見つけることができるが、お相手が多すぎて絞り込むのに苦労するようになった。
このように、たとえ効率化して時間を節約したとしても、仕事の量は節約できた時間いっぱいになるまで自分の中の「やるべきこと」が増えていく。
人間は効率化を成し遂げても忙しさからは決して逃れることはできない。
貧しい者も富める者も不安と焦燥にかられる
貧しいものは生活費を得るために不安と焦燥に駆られる。
富めるものは地位を維持するために不安と焦燥にかられる。
労働者は仕事をこなすことに不安と焦燥にかられる。
リタイアして旅行ばかりする人もまだ見ぬ旅先があるんじゃないかと不安と焦燥に駆られる。
便利になって生活はスムーズになったが人間関係を弱めた
便利になって生活がスムーズになる一方で、なくしてしまったものもある。
フードデリバリーサービスの登場でスマホ操作だけで出前が完結するようになり、一昔前のようにお店の従業員に電話することがなくなった。
テレワークの普及でオフィスに出勤することなく仕事ができるようになり、仕事仲間とのちょっとした会話をする機会もなくなった。
このちょっとした会話で1日がどれだけ明るくなるかは、たまにしか出社しない在宅勤務者なら理解できるだろう。
実は便利でない日々の方が人間関係を深め、自分自身の心身やコミュニティの健全さを保つ鍵だったのである。
人生が無限でないことは喜ばしい
人生4000週間は恵まれている
人生は有限。無限ではない。実はこれが奇跡的に素晴らしいこと。
ヴァカンスが特別なのはそれが永遠に続かないからだ。逆にヴァカンスが永遠に続けばそれは退屈(つまり死後永遠に続く天国は退屈な世界)。
人生はたった4000週間。生まれなかった場合に比べればずっと良い。
人生のたった4000週間は恵まれているのだ。
やりたいことを諦めるのは捨てる不安ではなく選ぶ喜びだ
人生は有限。だからやれることも有限。
先述の通り無限でないから人生は退屈にならずに済む。
膨大なメニューの中からやりたいことを一つ選ぶ時、その他を捨てたことを不安に思う必要はない。
有限の時間の中で「これ」をすると主体的に選択できたことを前向きに喜んで良いのだ。
「やることリスト」を絞ると楽になれる
理想の「やることリスト」は甘美な夢
「やることリスト」はやりたいこと、やるべきこと、他人にやれと言われたこと、を連ねた心の中のリストである(著者の造語)。
人はこのリストに際限なく詰め込んでしまう。空想の中ではどんな無謀な夢も思い描けるからだ。
仕事で大成功し、家事や育児も完璧にこなし、日々のトレーニングや地域のボランティアもこなす。
だが現実は不可能。時間が有限だからだ。
「やることリスト」は全てこなせない
壮大な夢が詰め込まれた「やることリスト」
実際はリストのすぐできそうなことから片付けられ、夢のようなことはその夢の準備が整うまで先延ばしにされる。
そして夢を先延ばしにされたまま人は死んでいく。
だからと言って大事なのは先延ばしをなくすことではない。
何を先延ばしにするかを賢く選択することだ。
後戻りできないほうが幸せ
ハーバード大で被験者にポスターを選ばせ、自分の選択にどれだけ満足いくか実験をした。
その結果、ポスターを何度でも選び直せる人たちよりも、ポスターを一度しか選べない人たちの方が、自分の選択にはるかに満足していることがわかった。
結婚のように、病める時も健やかなる時も、富める時も貧しき時も、それでも一緒に居なければならない状況のほうが幸せなのだ。
「やることリスト」を絞る3つの原則
第1の原則:まず時間の取り分をとっておく
給料のいくらを貯金や投資するかをあらかじめ決めておくように、自分の時間も確保する。
毎日1時間でも2時間でも、自分が本当にやりたいことのために時間を確保し、予定表に埋めておく。
その取り分の中に、自分が何をやりたいかを決める「自分ミーティング」を取っておいても良いだろう。
第2の原則:同時に進行していい仕事の枠数を定める
同時に進行していい仕事の枠数は3つがおススメ。
そしてその内1つが終わるまで他の仕事は一切やらない。
仕事の1つが完了したら、その枠を別の仕事で埋めてもよい。
どうして1つが終わるまで他のことに着手しないのか。
仕事を中途半端に止めて別の仕事をしても注意散漫になって非効率だし、進んでいる気がしているだけでいつまでたっても終わらないからだ。
第3の原則:人生の優先度「中」以下を捨てる
これも第2の原則とやり方は似ている。
人生でやりたいことのトップ25をリストアップし、そのうちトップ5に集中する。
トップ5から外れた優先度「中」以下はばっさり切り捨てよう。
本当にやりたいことから目をそらしてしまうからだ。
SNSに人生を奪われるな
アテンション・エコノミー
SNSなどで人のアテンション(注意・関心)に値段がつけられ、企業はそれを奪い合っている。
よく使われるのは怒りや恐怖をかきたてるコンテンツ。
有名人の失言がピックアップされたり、発言が切り取られたりするのもよく使われるコンテンツ。
企業はフェイクだろうが偏向報道だろうが注意を奪えれば良いのだ。
貴重な4000時間を奪うアテンション・エコノミーの技術
SNSなどの「スワイプで更新」のデザインはSNSにハマらせる技術。
スロットマシンのように「やってみるまで何が出てくるかわからない」という不確実性を利用している。
このハマらせる技術で怒りや恐怖を煽るコンテンツを次々と出して、貴重な4000週間の多くが奪われてしまう。
アテンション・エコノミーは本当に重要なことから目をそらさせる
SNSコンテンツは人の注意を奪う。
もっと言うと本当に注意したいこと・重要なことがあっても、そこから目をそらさせ脳内を都合の良いコンテンツに塗りかえる。
そのお陰で「街は犯罪だらけ」のイメージを植え付けられ、恐怖におののいた人たちは家に引きこもることになるかもしれない。
そして警察権力を叫ぶ扇動的な政治家に投票してしまうかもしれない。
その政治家が「犯罪だらけ」のイメージを植え付けようとしている事実から注意をそらされて。
注意力は人生そのもの
アテンション・エコノミーは人の注意を奪い、それによって人は時間を奪われ、場合によっては思想や価値観も変えられてしまう。
逆に奪われなければ、貴重な4000週間を自分のために使い、自分の思想や価値観を保つことができる。
つまり自分の注意力は自分の人生そのものなのである。
人は自らSNSへハマりに行く
不思議なことに、人はやらなければならないことのほとんどはやる気になれない。
それがたとえ心の底からやり遂げたいと思っていることであっても。
なぜなら理想の「やることリスト」と、それをこなせない自分とのギャップに苦痛を感じるからだ。
そうして苦痛から逃れたい時に「退屈」と断じ、自ら注意散漫になり、気晴らしにSNSに注意を奪われにいく。
そういう意味では人はたとえSNSを遠ざけたとしても、SNS以外の気晴らしに逃げるだろう。
苦痛は抵抗せず受け入れると軽減される
人生では必ず理想と現実のギャップに苦痛を感じる。
かといってSNSに逃げると貴重な4000週間を奪われ、思想や価値観も奪われる。
どうすればSNSに逃げずこの苦痛から逃れられるか?
筆者は日本の僧侶になるため修行をしていたアメリカ人男性の経験を引き合いに出している。
あるアメリカ人男性の悟り
雪解け水を何杯も浴びる水ごりの修行は温暖なカリフォルニア育ちの彼には想像を絶する苦痛だった。
最初は凍てつく水を浴びるたびに別のことを考えることで回避しようとしたが、その内それが間違っていることに気づいた。
逆に意識を水の冷たさに集中し、全力で感じたほうが苦痛が軽減し、やがて消えていくことがわかった。
苦痛を受け入れよう
理想と現実のギャップの苦痛も彼が悟ったことと同様にすると良いだろう。
「こんなはずではなかった」「どうして思い通りにいかないんだ」と逃げるのではなく、「現実はそういうものだ」と受け入れる。
こうすることで、苦痛を和らげることができる。
(つづく)
おまけ
(今週のお題「投げたいもの・打ちたいもの」)
ここではきちほーしのことをよく知ってもらうため、はてなブログの「今週のお題」をヒントに、本題と少し外れたお話をします。
今週のお題は「投げたいもの・打ちたいもの」です。
きちほーしはわが上司との付き合いを投げ捨てたいです。
わが上司ははっきりいって仕事がぜんぜんできません。
それでいてプロジェクトが進まないのを部下せいするので評価も満足できません。
さらに予算の使い方も下手くそで必要でない設備に数百万円を投じる一方で、従業員が要望する十万円もしないPC一つ買うのを渋る。
投げ捨てたい~。
でもそれができないのが従業員の辛いところです。