このシリーズでは、車を長期利用する人に向けて、最もコストを安く抑えられる方法について、きちほーしが調査したことをまとめています。
そしてこの記事では、カーリースの具体的な料金体系についてよく理解できてないきちほーしが、その代表として「定額カルモくん」について詳しく調べてみたので、その内容をお伝えします。
果たして「定額カルモくん」はおススメできるサービスになりうるのでしょうか?
(今週のお題「雨の日の過ごし方」)
はじめに
どうも、
車の長期利用を考えているきちほーしです。
雨の日に家の中でじっとしているのももったいない。
そんな時こそ自動車の活躍ですね。
でもきちほーしは車を持っていません。
数年前、会社の先輩から「車は金食い虫だ」と聞いて以来、なんとか車を買わずレンタカーやカーシェアリングのような短期利用のサービスでコストを抑える生活を過ごしてきました。
でも最近、家庭の事情で長期利用の機運が高まってきました。
そこで、前々回の記事で、レンタカー・購入・カーリースのコストをざっくり比較調査したところ、カーリースがなんだかリーズナブルそうだということがわかりました。
https://kippoushi126.hatenablog.com/entry/kuruma_yasuku/
さらに、前回の記事ではカーリースのメリット/デメリットについて深く調査したところ、カーリースの場合は、月間走行距離や市場の状況に応じて車両返却時に追加請求をされる場合があり、これが色々理由をつけて不当に要求されるんじゃないかと疑念を持つようになりました。
https://kippoushi126.hatenablog.com/entry/kuruma_yasuku-2/
そこで今回は、カーリースの追加請求について具体的に知りたい人に向けて、カーリース会社の一つ、定額カルモくんの利用規約について調査しました。
定額カルモくんは、追加請求が発生しにくいクローズドエンド契約の形をとっているので、ある程度安心ではあるのですが、利用規約の中に想定していない追加請求があるかもしれないので、調査をしました。
規約の内容の前に
今回調査するうちに、きちほーしが定額カルモくんについて改めて理解したことについてお話しします。
定額カルモくんはリース会社とユーザのマッチングサービスだった
利用規約を読んでまず思ったのは、きちほーしがサービスを誤解していた、ということでした。
第26条 当社の役割
- 第1項
- 当社は、お客さまサポート契約において、カルモカスタマーに対して、お客さまサポート料に対する役務として、以下各号で定める業務を提供します。
- 1. リース自動車(新車)に関する相談対応等の一連の業務
- 2. お客さまサポート料の回収業務
- 3. リース自動車(新車)についての各種優待等の案内業務
- 4. カルモカスタマーの便益となる事業者等の案内業務
- 5. その他上記各号に付随する一連の業務
- 第2項
- 当社はカルモオプション契約において、カルモカスタマーに対して、カルモオプション料に対する役務として、当社が別途指定する業務を提供します(後略)。
- 第3項
- 当社は、自動車リース仲介契約において、カルモカスタマーに対して、仲介手数料に対する役務として、以下各号で定める業務を提供します。
- 1. 当社ウェブサイトで、リース自動車(新車)となりうる候補の提示
- 2. 自動車リース会社とリース契約を締結するまでの事務手続き等のサポート業務
- 3. リース契約において当社の役務提供として定められる業務
- 4. その他上記各号に付随する一連の業務
- 第4項
- 当社は、本サービスを通じて、カルモカスタマーと自動車リース会社との間のリース契約を締結する場を提供するものであり、カルモカスタマーと当社との間には、リース自動車(新車)に関するリース契約が成立するものではなく、リース自動車(新車)のリースに関する契約は、カルモカスタマーと自動車リース会社との間で成立するものとします(後略)。
賃貸マンションの仲介業者が、マンションのオーナーとユーザを仲介するのと同じイメージですね。
そうすると、弱小…、もとい、中小のリース会社は接客や事務作業等の業務を定額カルモくんにお任せして車の整備等の業務のみに専念できますし、定額カルモくんは規模の経済性(最近この言葉をおぼえました^^)によって接客や事務作業等の業務をコスパよくさばけるということなのでしょう。
接客や事務作業等のコスパが良くなれば、その分リース代も安くなるのは理解できます。?
ただし、カルモくんが安くできるのは、カルモくんに加盟していない中小のリース会社に比べて安くできるのであって、規模の経済性を活かせる大手のリース会社に比べて安くなるかどうかは分かりませんし、前々回の記事で計算したように、車を購入するよりも全体的なコストが安くならない場合もあります。
「店舗をもたない」が定額カルモくんの強み
店舗なしカーリースのメリット
(前略)定額カルモくんなど、中には、店舗運営にかかるコストを削減することで低価格でサービスを提供するカーリースもあります。
店舗なしカーリースのデメリット
店舗なしのカーリースでは、リースする車を目で見て確認できません。
どーやら定額カルモくんでは、ユーザはネットだけで車のリースを選ぶようです。つまり下見ナシです。
その接客業務を省略してるからコストを下げることができるんですね。
それは理解できますが、きちほーしの性格として、新車はともかく中古車については下見もせずに選ぶのは難しいです。
新車をリースするならおススメできるかもしれません。
中古車をリースするならネットだけで決めてもいいと割り切れる人でないとおススメできないかもです。
規約をチェックしてみた
さて、前置きが長くなりましたが、この記事のテーマは、定額カルモくんの利用規約に、不当に追加請求がされる内容があるかどうかです。
以降、利用規約のチェック結果についてお話しします。
追加請求に関する条項がない
結論から言うと、追加請求に関する条項は見当たりませんでした。
距離制限を超えたら課金する、といった条項もないですし、
カスタマイズしたら課金する、といった条項もありません。
規約には新車の条項と中古車の条項がありますが、その両方に追加請求の項目がありません。
ここで改めて定額カルモくんのサイトを確認してみてみたら、
定額カルモくんには走行距離制限がありません。
走行距離を気にせずカーライフを楽しめるので、長距離の利用が多い方でも安心です。
とありました。
ホントに??なんでそんなことができるの??
とはいえ、書類は利用規約だけではないでしょうから。
契約書や重要事項説明書に、もしかしたら追加請求に関する記載があるのかもしれません。
リース会社とユーザの間で独自の契約をすることは禁止している
第6条 禁止行為
第1項
(1) リース自動車又は購入自動車について、本サービスを使用せずに、自動車リース会社との間で直接リース、賃貸借、売買その他カルモユーザー及びカルモカスタマーによるリース自動車の使用に関する契約を締結する行為
きちほーしが気になっていたのは、定額カルモくんが追加請求しなくても、リース会社が独自に追加請求をふっかけることはないか、ということでした。
が、少なくともリース会社が定額カルモくんのサービスを使用せずに、つまり定額カルモくんがあずかり知らぬところで、リース会社が独自の取引をもちかけることはなさそうです。
カルモメンテナンスプラン(オプション)は価格が変わる可能性を残す
カルモメンテナンスプランに関するガイドライン
6.免責事項
本カルモオプションにおける点検・メンテナンス・延長保証は、お客様が選択した当社指定の事業者が実施するものであり、お客様と当社との間には、点検・メンテナンス・延長保証に関する請負契約、準委任契約その他いかなる契約も成立するものではなく、点検・メンテナンス・延長保証に関する契約は、お客様とお客様が選択した当社指定の事業者との間で成立するものとします。当社は、点検・メンテナンス・延長保証に関する契約について生じる事項については一切の責任を負わないものとします。
本カルモオプションの料金やお客様へのサービス内容は、市場の価格動向等を理由に予告なく変更する場合があります。なお、本カルモオプションのご契約成立後に変更になったサービス内容等を理由とする、プランの変更等のお申し出につきましてはお受けいたしかねます。予めご了承下さい。
ここでいう「本カルモオプション」とは、点検・メンテナンス・延長保証に関するカルモメンテナンスプランのことですが、ここらへんは市況に応じて変更されるようです。
ここに追加請求のしわ寄せが来ないとも限りませんが、「オプション」サービスのようなので、心配ならこのサービスを受けないのもアリかもしれません。
よくわからなかった条項
支払先はリース会社?定額カルモくん?
第27条 料金及び支払方法
第3項
カルモカスタマーは、第1項で定める料金を、自動車リース会社が定める方法で支払うものとします。
第5項
カルモカスタマーは、リース自動車(新車)に関するリース料を当社が自動車リース会社に代わって受領することを確認し、
第3項では支払方法の主導権がリース会社にある内容になっているので、支払先はリース会社なのかなーと思ったら、第5項で当社、つまり定額カルモくんが支払先になっているように見えます。
どっちやねん。
どっちでもいいけど。支払先は定額カルモくんの方が安心かなぁ。
なぜか存在する「乗り放題オプションに関するガイドライン」
利用規約には「乗り放題オプションに関するガイドライン」という条項もありました。
前述しましたが、この規約には走行距離に関する追加請求の条項がありません。
加えて定額カルモくんのサイトでも走行距離制限がないことを前提とした記載があります。
なので「乗り放題オプションに関するガイドライン」は必要ないはずですが、消し忘れですかね?
こぼれ話
定額カルモくんの生みの親のインタビュー記事がありました。
いろいろ難しい話があるようですが、オリックス自動車が定額カルモくんの最大のパートナーなんだそうです。
venturenavi.dreamincubator.co.jp
車というアセットを持たずに、集客レイヤーに特化しビジネスを回すこと。Airbnbがホテルを持たずに宿泊業を、Uberが車を持たずにタクシー業をやっているのと同じように、「車を仕入れずに車を売る」という方程式を成立させることが肝だったのです。
(中略)
弊社最大のパートナーであるオリックス自動車は、yentaを通して知り合った方の紹介で繋がり、事業立ち上げ前の2017年には何度も何度も先方オフィスに通い、アライアンスの話をまとめさせていただきました。
まとめ
今回は、カーリースの追加請求について具体的に知りたい人に向けて、カーリース会社の一つ、定額カルモくんの利用規約について調査しました。
今回の調査を通じて改めて分かったのは、
- 定額カルモくんはリース会社とユーザのマッチングサービスだった
- 「店舗をもたない」が定額カルモくんの強み
ということでした。
これらの特徴によって、定額カルモくんはカーリース会社の中では比較的安く提供できるビジネスモデルであることが分かりました。
そして肝心の規約をチェックしてみたところ、
- 追加請求に関する条項がない
- リース会社とユーザの間で独自の契約をすることは禁止している
- カルモメンテナンスプラン(オプション)は価格が変わる可能性を残す
ということがわかりました。
1番目の追加請求に関する条項がないのは、あくまでも利用規約の話なので、別の契約関連書類にはないとも限りませんが、少なくとも利用規約に関しては条項がありませんでした。
2番目があるおかげで、リース会社からユーザに独自の追加請求をすることは抑制されそうです。
3番目は値上げされてしまう可能性を残していますが、オプションなので心配ならオプションをつけない手もありそうです。
次回は定額ニコノリパックについて深く調査したいと思います。
(2021/5/31 追記:定額ニコノリパックについては、利用規約など、深く調査する資料が見当たらなかったため、次回の記事について予定を変更いたします)
(2021/6/4追記:定額ニコノリパックに問合わせましたところ、利用規約や契約書類などは来店しないと確認できないとのことでした。店舗が遠方にあるので確認は断念しました。)
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