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【一般就労できるかな?】特例子会社インタビュー2 -書籍「発達障害と仕事」5-

このシリーズでは障害者の一般就労の現状をまとめたムック本「 発達障害と仕事」についてグッと要約してお話します。

知的障害を持つウチの子は将来どんな仕事につけるんだろう? どうすれば採用してもらえるんだろう?

気になる親御さんはぜひご参考ください。

今回は前回に引き続き特例子会社インタビューの概要をいくつかお話します。


発達障害と仕事 発達障害者の自立・就労を支援する本 (親子で理解する特性シリーズ) [ 宮尾 益知 ]

アイスブレイク

今週のお題「マメ」)

アイスブレイクではきちほーしのことをよく知ってもらうため、はてなブログの「今週のお題」をヒントに、本題と少し外れたお話をします。

今週のお題は「マメ」です。

 

最近自分のことを整理して思ったのは、きちほーしはマネにコツコツやるのが好きな人間っぽいです。

ダイエットも毎日コツコツやることで成果を出しています。

ブログも隔日でコツコツやっています(読者がどれだけいるかは別として…)。

 

今後はきちほーしのこのコツコツを他人のためにやってみようかなと思っています。

毎日、あるいは隔日でやっても苦にならないこと。

これを探していきたいと思います。

 

はじめに

どーも!きちほーしです!

今回も前回に引き続き、特例子会社インタビューの概要についてお話します。

 

参考にしたのは一般就労の実態についてまとめられたムック本「発達障害と仕事 発達障害者の自立・就労を支援する本 (親子で理解する特性シリーズ)」です。

2018年発行と少し古いですが参考になると思います。

 

全8社のインタビュー記事の内、今回お伝えするのは以下の3社です。

  • 大和ライフプラス株式会社
  • NTTクラルティ株式会社
  • 株式会社KDDIチャレンジド

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本記事の範囲: p34~p45

この記事では本書籍のp34~p45の、各特例子会社3社のインタビュー記事について、要約してお話します。

 

大和ライフプラス株式会社

会社概要

業種 印刷・製本・データ入力
事業内容 印刷、製本・コピーサービス、データ入力、書類の電子化など事務処理全般
9割が親会社(大和ライフネクスト)より委託
従業員数 56名(障害者50, 健常者6)
2018年2月現在
障害者の採用方法 定期採用・補充採用アリ。
ハローワーク、就労支援機関、職業訓練校などを介して採用。
拠点 東京 1拠点
神奈川 1拠点

障害者の内訳

雇用されている障害者の内訳は以下の通りです(2018年2月1日現在)。

ちなみに、障害の種別にこだわらず、職種にマッチする人を採用した結果とのことです。

業務の詳細

業務の詳細は以下の通りです。

  • 研修用資料などの印刷
  • 製本・コピーサービス
  • データ入力
  • 書類の電子化(スキャン作業)など
  • etc

業務体制

ワークシェアという体制をとっているようです。

一つの作業を工程ごとに分解し、分解した業務を複数名で担当します。

障害者は休みがちですが、ワークシェア体制によって休みが出ても他の人で穴埋めできる体制にしています。

各社員にそれぞれメインの作業があり、業務グループのリーダーがサポート役に回るという体制です。

 

課長や社会福祉士の資格を持つ社員、チームリーダーが相談員となり、定期面談しています。

チームリーダーは障害者です。

各社員との社外支援者とも連携を取り合っています。

採用について

年度ごとに採用人数を決めて定期採用しています。

社員の退職等で出た場合は欠員補充の採用もあります。

ハローワーク経由での採用が基本です。

就労移行支援事業所、国立職業リハビリテーションセンター、職業訓練校などでも見学会・企業説明会などを実施しています。

NTTクラルティ株式会社

概要

業種 サービス業
事業内容 ポータルサイトの運営、Webアクセシビリティ診断・研修、手すき紙等の製品製造・販売、コールセンター、保守サポートサービス勧奨、オフィスマッサージ、設備系、健康保険組合事務、契約業務など。
従業員数 369名(障害者287, 健常者82)
2018年3月現在
障害者の採用方法 ハローワーク、就労支援機関など
拠点 東京 2拠点
神奈川 1拠点
山梨 1拠点
宮城 1拠点

障害者の内訳

業務の詳細

業務の詳細は以下の通りです。

業務体制

幅広い経験を積ませるため、4つの組織内を異動させる仕組みを構築している(ただし、変化が苦手な人には配慮している)。

専門分野・一般分野それぞれの資格を3段階用意し(実務担当 → 実務リーダー → 主査)、キャリアアップの仕組みを整備している。

各種研修も揃えている。コミュニケーション研修、リーダー研修、中堅・中核者研修など。

業務成績や業務改善、社会貢献活動、スポーツ功労者などを対象とした表彰制度もある。

NTTグループ全体で、障害者の困り事や痛みなどの理解を深める研修も実施している。

障害者への配慮をまとめたハンドブックも配布している。

株式会社KDDIチャレンジド

概要

業種 サービス業
事業内容 携帯端末分解分別、鍼・マッサージ、経理、携帯電話修理などの保守、PCキッティング、携帯端末リサイクル、施設管理、メールデリバリー、データベースシステム、カフェ、ロジスティクス、ビルクリーニングなど
KDDIグループより委託された業務
従業員数 159名(障害者121, 健常者36)
2018年3月現在
障害者の採用方法 不定期採用。ハローワークや就労移行支援事業所を介して採用している。
拠点 東京 1拠点

障害者の内訳

雇用されている障害者の内訳は以下の通りです(2018年2月現在)。

業務の詳細

携帯端末分解分別、携帯保守センター、オフィスサポート、物流、清掃、鍼・マッサージ(親会社社員の福利厚生)、カフェなど全14種。

KDDIチャレンジドでできることを見つけ、新規事業を常に開拓している。

 

働く人にも利用者にもカフェが大好評

カフェ業務が人気で、本社、新宿、大阪にカフェがあります。

本社の例では、知的障害、精神障害の社員6名と指導員2名の体制で運営しています。

完全キャッシュレスにしているので、お金の計算・管理が苦手だったり、視覚障害があっても対応できます。

パンも地元の障害者が働く人気のベーカリーから仕入れたりしているようです。

 

今後は社内の会議室へのデリバリーも増やしていくとのことです。

(*きちほーし感想)キャッシュレスで障害者もレジ処理ができるのは素晴らしい

お金の扱いが苦手な障害者にキャッシュレスを利用するのはきちほーしも注目していました。

障害者がキャッシュレスを使うとお金を無尽蔵に使ってしまうので、その対策案を考えたのです(考えただけですが…^^;)。

1日の支払い上限を親や後見人が設定できたらいいなと思っていました。

 

きちほーしが考えていたのは、障害者がお金を支払う場合の支援としてキャッシュレスを利用するというものです。

ですが、KDDIではお金を受け取る場合の支援としてキャッシュレスを利用しているようですね。

素直に「なるほど!」と思いました^^。

 

業務体制

6~7人でチームを編成し、チームリーダーとして指導員が一人付きます。

チームリーダーは定期的に面談して、目標設定やモチベーションアップ、人間関係の改善に努めます。

チームリーダは本社からの出向者で、特に定年再雇用の方が活躍しています。

障害特性が異なる社員をあえて同じチームにし、お互いに支え合うようにすることで、成長を促しています。

 

採用について

知的障害者は支援校、身体・精神障害者ハローワークを介して募集しています。

上述のカフェは事前予約すれば社内見学が可能で、支援校のインターンシップなども受け入れています。

募集時は、1~2週間の実習期間を設け、技能だけでなく昼食を一緒に取るなどしてコミュニケーションも図ります。

 

入社後は3ヶ月間のトライアル採用があります。

この期間で出勤が安定しなかったり症状が悪化すると本採用につながらないケースもあるとのことです。

「どう配慮してもらえる?」→「できることはやろう」というスタンスです!

実習期間でどう配慮してもらえるのかにフォーカスする実習生もいるが、「できることはやろう!」というのがKDDIチャレンジドのスタンスだそうです。

自分の特性をよく理解し、働く意志がしっかりあることが採用の大前提とのことです。

重度知的障害者も採用

インタビューがあった年(2018年)は、知的障害者を13名採用し、重度障害者も本社ビルの清掃業務の一部受託が始まったとのことです。

(*きちほーし感想)重度障害者まで採用されるなんて、まさに「できることはやろう!」のスタンスですね。

自分の特性や課題を整理する「ナビゲーションブック」を作成

客観的に自分の特性を整理する「ナビゲーションブック」を独自に作成しています。

自分の特性、仕事の課題、関連する配慮や注意点を書き出して、客観的に整理するツールだそうです。

(つづく)

書籍概要

タイトル

発達障害と仕事 発達障害者の自立・就労を支援する本 (親子で理解する特性シリーズ)

発売日

2018/4/26

著者

宮尾 益知

概要

発達障害者の自立・就労を支援するための情報を詰め込んだムック本。
障害者雇用の最前線で起きている問題は、発達障害者の雇用を受け入れる企業と、転職を繰り返す発達障害者の就労のマッチングとも言える。
本書はこれらの問題を解決するための情報を網羅している。
障害者雇用を促進したい企業のサポートをしている障害者雇用企業支援協会(SACEC)が示す障害者雇用の現実と未来。
一部上場企業が障害者雇用の受け皿として相次ぎ設立している特例子会社8社のレポートなど、発達障害の人たちがこれから就職するために必要な情報が網羅されている。

目次