このシリーズでは障害者の一般就労の現状をまとめたムック本「 発達障害と仕事」についてグッと要約してお話します。
知的障害を持つウチの子は将来どんな仕事につけるんだろう? どうすれば採用してもらえるんだろう?
気になる親御さんはぜひご参考ください。
今回も前回に引き続き特例子会社インタビューの概要をいくつかお話します。
発達障害と仕事 発達障害者の自立・就労を支援する本 (親子で理解する特性シリーズ) [ 宮尾 益知 ]
アイスブレイク
(今週のお題「かける」)
アイスブレイクではきちほーしのことをよく知ってもらうため、はてなブログの「今週のお題」をヒントに、本題と少し外れたお話をします。
今週のお題は「かける」です。
「かける」は「駆ける」でも「賭ける」でも何でもいいんだそうです。
今回の「かける」は「欠ける」。
最近のきちほーしは集中力が欠けています。
花粉か何かわからないけどなんだか目がかゆいのです。
加えてだんだん暖かくなって眠気も出てきだして。
さらに歯医者の治療でかみ合わせがうまくいかなくてこれも集中力を欠かせています。
そんなん言い訳にしたらアカーン!
とは思うんですけどね~。
はじめに
どーも!きちほーしです!
今回も前回に引き続き、特例子会社インタビューの概要についてお話します。
参考にしたのは一般就労の実態についてまとめられたムック本「発達障害と仕事 発達障害者の自立・就労を支援する本 (親子で理解する特性シリーズ)」です。
2018年発行と少し古いですが参考になると思います。
全8社のインタビュー記事の内、今回お伝えするのは以下の2社です。
- アダストリア・ゼネラルサポート
- 株式会社ドコモ・プラスハーティ
関連記事
- 【一般就労できるかな?】特例子会社インタビュー1 -書籍「発達障害と仕事」4- - きちほーし知的障害者支援できるかな?
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- 発達障害と仕事 カテゴリーの記事一覧 - きちほーし知的障害者支援できるかな?
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【LITALICOワンダー】
本記事の範囲: p46~p53
この記事では本書籍のp46~p53の、各特例子会社3社のインタビュー記事について、要約してお話します。
アダストリア・ゼネラルサポート
会社概要
業種 | グループ企業の総合サポート |
事業内容 | 事務(経理、人事管理、名刺作成や軽印刷作業など) 物流(B品商品(訳あり商品)の仕訳・登録、季節商品の引き上げなど) ショップサポート(店舗のバックルームサポートなど) |
従業員数 | 273名(障害者194, 健常者79) 2018年2月現在 |
障害者の採用方法 | 不定期採用。 ハローワーク、就労支援機関などを介して採用。 |
拠点 | 東京 1拠点 山形 1拠点 茨城 2拠点 群馬 3拠点 愛知 1拠点 大阪 1拠点 福岡 2拠点 |
障害者の内訳
雇用されている障害者の内訳については明記されていませんでしたが、以下の記述がありました。
2018年2月現在は、法定雇用率を上回る2.49%に達しているとのことです。
業務の詳細
事務センター、物流センター、ショップサポート、それぞれで業務内容が異なります。
[事務センター]
- 各店舗の売上金の検証
- グループ会社の従業員の旅費精算の検証
- データ集計
- 名刺印刷
[物流センター]
- キズ物などB品商品の仕分け
- 季節商品の店舗からの引き上げ
- 販促ツールの発想
- 衣類品の生地サンプルの取り扱い
[ショップサポート]
- 店舗の開店前準備
- 清掃
- 入荷商品の検品・仕分け
- ストック整理
業務体制
取材当時は、設立から3年目と若く、大型店舗で1~2名のショップサポート配属を目標にしていたようです。
各事業所にジョブコーチの資格を持つ定着支援担当者を配していて、生活面・精神面をサポートしています。
その他のショップスタッフにも障害者への接し方などを本部からきめ細かく伝えてるなどの対策をとっています。
褒賞制度があり、アビリンピック(全国障害者技能競技大会)への参加や入賞に対しても褒賞を支給しています。
2017年はワードプロセッサ部門で金・銅賞に輝いたとのことです。
採用について
概要
不定期採用です。
地域の支援荒野支援機関と連携し、見学・実習・インターンシップなどを随時取り入れています。
採用時にはハローワークのトライアル雇用制度を活用しています。
採用のポイント
採用の判断として主にチェックしているのは以下の通りです。
- 時間を守れるか
- 自身の障害特性を受容できるか
- 家族の協力を得られるか
- 支援機関の登録は済んでいるか
株式会社ドコモ・プラスハーティ
概要
業種 | 清掃業・その他サービス業 |
事業内容 | ドコモグループ各社のビル清掃 社員向け障害者関連研修 障害者雇用・定着の支援など |
従業員数 | 113名(障害者76, 健常者37) 2018年3月現在 |
障害者の採用方法 | 不定期採用。 ハローワーク、就労支援機関などを介して採用。 |
拠点 | 東京 4拠点 神奈川 1拠点 大阪 1拠点 |
障害者の内訳
全従業員113名の内、障害者は76名です。
それ以上の詳細な内訳については明記されていませんでした。
業務の詳細
業務の詳細は以下の通りです。
- ドコモグループ各社のビル清掃
- 社員向け障害者関連研修
- 障害者雇用・定着の支援
- 障害者支援の相談窓口
とくに清掃に関しては力を入れており、病院の手術室レベルの清掃を取り入れているようです。
不器用な人や体力のない人でも無理なく掃除ができるように道具や薬剤にかなりの工夫を凝らしているとのことです。
業務体制
環境衛生士の資格を持つ健常者がジョブコーチとなって、知的障害者でもプロレベルの清掃ができるようにサポートしています。
また、昼食後の1時間を使って公文式学習などの学習支援やヨガなどを取り入れています。
知的障害者は老化・退行が早い傾向があり、長く働くのが難しい問題があります。
不器用な人も多く転倒予防が課題です。
それらの対策として学習支援やヨガを取り入れているようです。
採用について
詳細な記述はありませんでした。
おわりに
いかがだったでしょうか?
これまで3回にわたって、特例子会社8社分のインタビューをかいつまんでお話しました。
感想
いろいろな仕事がありましたが、データ入力、書類等の印刷・発送、清掃、などがよくある業務なのかなという印象でした。
実際に見ていないのでイメージでしかないのですが、個人的に「楽しそうだな。わが子キチノも行けたらな。」と思った仕職場が2つあります。
1つはKDDIチャレンジド。
重度知的障害者も雇用するなど懐の深さが伺えます。
それに自分で仕事を掘り起こす起業精神がある印象があり、キチノも自分でやりがいのある仕事を作れるんじゃないかと思ったりします。
特にカフェは健常者からも人気のようなので誇りが持てるんじゃないかと思います。
もう1つは東京ビジネスサポート株式会社。
この中のドライブレコーダー解析というのが地道な作業で、こういったことが得意な知的障害者に合っているんじゃないかと思いました。
キチノがこの仕事をしている姿を思い浮かべると、似合っているなと思います。
やっぱり将来が不安
きちほーしも労働市場に詳しいわけではありません。
ですが、特例子会社で受ける仕事は需要が減る傾向にあるんじゃないかと心配してしまいます。
データ入力も、書類等の印刷・発送も、場合によっては清掃も、オートメーション化するのはそんなに遠くない未来だと思います。
コロナでテレワークが進んだ今は、コロナ前よりも間違いなく社内のカフェや食堂も需要が減っているでしょう。
実際にきちほーしが勤める会社の食堂は閉鎖になりました。
ドライブレコーダーの解析だって、AIでできてしまう日は遠くないでしょう。
そんな時に備え、今の時代に合わせて新しく障害者たちが貢献できる仕事を模索しないと、きちほーしは安心できないのです。
書籍概要
タイトル
発達障害と仕事 発達障害者の自立・就労を支援する本 (親子で理解する特性シリーズ)
発売日
2018/4/26
著者
宮尾 益知
概要
発達障害者の自立・就労を支援するための情報を詰め込んだムック本。
障害者雇用の最前線で起きている問題は、発達障害者の雇用を受け入れる企業と、転職を繰り返す発達障害者の就労のマッチングとも言える。
本書はこれらの問題を解決するための情報を網羅している。
障害者雇用を促進したい企業のサポートをしている障害者雇用企業支援協会(SACEC)が示す障害者雇用の現実と未来。
一部上場企業が障害者雇用の受け皿として相次ぎ設立している特例子会社8社のレポートなど、発達障害の人たちがこれから就職するために必要な情報が網羅されている。