山田豊文医師が推奨する一日二食・菜食主義&月イチ断食の背景にはどんな医学的根拠があって、どんな効果があるのか、具体的に見ていきましょう。
このシリーズでは、一日二食&月イチの断食とミネラルファスティングを提唱する、山田豊文医師の書籍「脳がよみがえる断食力」のポイントをご紹介します。
山田医師は杏林予防医学研究所所長であり、多くのアスリートの食事指導経験を持つ医療の専門家です。
一日二食・菜食主義&月イチ断食の背景や医学的根拠、さらには具体的な効果について、詳しく探っていきましょう。
これまでは、
- なぜ断食を推奨するのか?
- 断食によって体内に何が起こるのか?
- どのように断食をするのか?
についてお話しました。
そして今回と次回とで、ファスティングをより効果的にするために何に気をつけるのか、についてお話します。
これはファスティングに限らず健康的に生きるための秘訣です。
- 関連記事
- 山田医師が推奨する一日二食の理由
- オススメは夕食を抜くこと
- 「糖質制限」の罠に注意しよう
- 「肉は嗜好品」と位置づける重要性
- 近代的な食事が健康に与える影響についての研究結果
- 食物繊維と同様の効果を持つ「レジスタントスターチ」
- 生きたミネラルを摂ることの重要性
- 牛乳は問題だらけ
- 書籍概要
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山田医師が推奨する一日二食の理由
食事は栄養を摂ることでもありますが、同時に食に含まれる毒素も摂ることになります。
そして食べ物の消化・吸収にも大きなエネルギーを使います。
だから山田医師に言わせれば、一日三食は食べ過ぎで不健康なのです。
だから山田医師は一日二食派。
ただし、一食抜く代わりに二食をドカ食いするのはNGです。
オススメは夕食を抜くこと
仏教には「朝は少食(しょうじき)、昼は正食(しょうじき)、夜は非食(ひじき)」という言葉があります。
だから抜くのなら夕食がオススメです。
と言いつつ山田医師が抜いているのは昼食。
それぞれの生活パターンにあわせて、やりやすい方法で実践することが良いようです。
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「糖質制限」の罠に注意しよう
炭水化物=糖質+食物繊維
山田医師の見解では、最近流行の「糖質制限」について「炭水化物=糖質」と誤解している人が多い印象なのだそうです。
正しくは、「炭水化物=糖質と食物繊維の総称」。
むやみやたらに「糖質制限」して、実は食物繊維も制限しているかもしれないのです。
糖質にはエネルギー源以外の重要な役割がある
糖質がタンパク質と結合した「糖タンパク質」は、軟骨の成分になったり、ホルモン生成や細胞間の水分保持に役立ちます。
糖質と脂質が結合した「糖脂質」は、免疫系を向上させ、臓器などの組織生成に役立ちます。
食物繊維は免疫にも重要
食物繊維は腸の中で発酵して短鎖脂肪酸という物質になります。
この短鎖脂肪酸は骨髄の中で、白血球の製造を促進するのです。
だから食物繊維は身体の免疫に重要な役割を果たすのです。
「糖質制限」で動脈硬化の危険性も
糖質制限で動脈硬化などの血管トラブルが急速に進行し、最悪死に至るという研究結果が多数報告されています。
ハーバード大学の研究では、心臓病のリスクが高まることを報告しています。
日本糖尿病医学会も、極端に炭水化物を制限した食事療法は薦められない、と提言しています。
一番いいのは少食の穀菜食
いつでも高炭水化物のエサを食べられるマウスは、カロリー制限と同じような健康効果を示す、という研究結果があります。
このマウスは、血糖値やコレステロール値がカロリー制限時と同じくらい減少し、体重増加も見られなかったのです。
もっとも、一番健康効果が大きかったのは、カロリー制限を行いながら高炭水化物のエサを摂っていたマウス。
つまり、我々人間にとっても「少食の穀菜食」が一番健康に良い、ということになります。
(*きちほーしの余談)穀菜食の定義とは?
ところで穀菜食とはどんなものでしょうか?
きちほーしがWeblioというところで調べてみるとこう定義されていました。
玄米、全粒粉を主食とし、主に豆類、野菜、海草類、塩から組み立てられた食事である。
「肉は嗜好品」と位置づける重要性
糖質制限で肉が増えがち
糖質制限をすると代わりに肉食が増えがちになります。
高タンパク食は内臓の負担になるので、「肉は嗜好品」と位置づけましょう。
「筋肉を作るには肉が必須!」という誤解
多くの人が食べた肉がそのまま人間の筋肉になると誤解しているかもしれません。
でも肉を食べようが野菜を食べようが、食べたものは分解・吸収されて、人間用タンパク質に作り変えられるのです。
そしてその作り変えに必要なミネラルやビタミンは、多くの場合植物性食品の方が優れた摂取源なのです。
その上肉は有害物質を多く含む上に肝臓への負担が大きく、あまり良い食べ物ではありません。
近代的な食事が健康に与える影響についての研究結果
1930年代の米歯科医の研究では、文明が未発達の地域の人たちは健康的、という結論になりました。
これは同じ先住民でも、都市部近郊で近代食を摂る人と、先住民の伝統色を摂る人を比較しても同様の結果のようです。
研究者は、近代食にはミネラルやビタミンが少なく、以下のような問題が発生するとしています。
- 虫歯が多い・歯並びが悪い
- 感染症にかかりやすい
- 先天性疾患・慢性疾患が多い
食物繊維と同様の効果を持つ「レジスタントスターチ」
冷や飯は体に良い!
炊いてから時間が経ったご飯には、レジスタントスターチという難消化性デンプンが含まれています。
これが食物繊維と同じ働きをしてくれます。
なんだったら水溶性・不溶性食物繊維の両方の特徴を持っているのです(*)。
食物繊維と同様に先述の短鎖脂肪酸も作られ、ミネラルの吸収が促進されます。
さらに、血中コレステロールや血糖値の上昇を抑え、脂質代謝を改善したりもします。
冷や飯以外の「高レジスタントスターチ食」
レジスタントスターチは、全粒穀物(玄米など)や豆類、種実類にも多く含まれています。
生のじゃがいもや青いバナナにも含まれます。
(*きちほーしの余談)水溶性食物繊維は重要!
先述の通り、レンジスタントスターチは水溶性食物繊維と不溶性食物繊維の特徴をあわせ持ちます。
これはとても素晴らしいことです!
水溶性食物繊維は余分な糖質や脂肪の吸収を抑えてくれるのです。
血糖値の急上昇を抑えるにはコレですね~。
きちほーしは水溶性食物繊維を摂るためにほうれん草を食べますが、ここんとこ値上げ続きなんですよね。
それが冷や飯で代替できるとするととってもお手軽になりますね!
生きたミネラルを摂ることの重要性
キーワードは「生体利用性」
書籍には、ミネラル摂取のキーワードは「生体利用性」で、これを無視するとどれだけ摂っても体外へ排出されてしまう、とあります。
Bardさんによれば「生体利用性」とは、どれだけ体に吸収されて、効果を発揮できるかということを表す指標です(*)。
山田医師は、この「生体利用性」の悪いものを「死んだミネラル」と呼んでいます。
ミネラルバランスが重要
生体利用性を良くする要素の一つが、ミネラルバランスです。
例えば、カルシウム(Ca)・マグネシウム(Mg)・リン(P)の3つは、体内で相乗的に働くので、これらの比率が重要です。
ちなみにChatGPTさんによると、上記ミネラルの生体利用性の良い比率は以下のとおりです。
Ca : Mg = 1 : 1~1 : 2
Ca : P = 1 : 1~1 : 2
(*きちほーしの余談)「生体利用性」の意味を生成AIに聞いてみた
「生体利用性」についての詳細が書籍になかったので、生成AIのBardさんとChatGPTさんそれぞれに聞いてみました。
きちほーしは時々ChatGPTとBardを両方使って、分かりやすい方を採用しています^^。
Bardさんの回答
[質問]
生体利用性について、小学生が分かる程度に教えて。
[Bard]
生体利用率とは、薬を飲んだときに、どれだけ体に吸収されて、効果を発揮できるかということを表す指標です。
(後略)
分かりやすい!
ただ、「生体利用性」について聞いているのに、「生体利用率」について回答しているのがひっかかります。
同じ言葉なのかな?
ChatGPTさんの回答
Bardさんが「生体利用率」について回答したのが不安になったので、念のためChatGPTさんにも聞いてみました。
[質問]
生体利用性について、小学生が分かる程度に教えて。
[ChatGPT]
生体利用性は、物質や材料が生物の体にどのように影響するかを表す言葉です。例えば、私たちの体には骨や血液などがありますが、それらが正常に機能するためには適切な物質や材料が必要です。生体利用性が高い物質や材料は、体に良い影響を与えることができます。
(後略)
こちらは小学生向けとは思えない回答ですが、まぁBardさんの回答とほぼ同じ意味でしょう。
牛乳は問題だらけ
カルシウムとマグネシウムのバランスが悪すぎる
先述の通り、カルシウムとマグネシウムのバランスは、Ca : Mg = 1 : 1~1 : 2、がベストです。
ですが、牛乳は、Ca : Mg = 11 : 1です。
貧血につながる
牛乳には大量のリンが含まれており、これによって鉄分の吸収が阻害されます。
これによって貧血に繋がります。
骨からカルシウムが溶け出す
牛乳には大量のリンが含まれており、これによって脱灰(骨からカルシウムが溶出すること)が進みます。
後述のカルシウムの悪玉化にもつながります。
カルシウムが悪玉化する
「カルシウムの悪玉化」について。
カルシウムの過剰摂取や代謝異常によって、体内でカルシウムが適切に処理されず、不要な場所に堆積することがあります。この堆積によって、動脈硬化や結石形成、心臓病や血管疾患のリスクを高めることが知られています。
(by ChatGPT)
成長にともない乳糖が消化できなくなる
牛乳に含まれる乳糖は、赤ん坊の頃は消化できますが、成長とともに消化できなくなります。
製造過程で余計な物質が次々に投入されている
- 人工ホルモン
- 子牛の発育促進や搾乳量を増やすため、牛たちに投入されます。
- 抗生物質
- 牛たちの病気を抑えるために投入されます。
- 農薬
- 牛のエサとなる牧草や穀物に使われます。
- 過酸化脂質
- 牛乳の酸化を防ぐために大量に投入されます。
- 過酸化脂質は、細胞膜やDNA損傷、心血管疾患のリスク増加などの影響があります(by ChatGPT)
乳タンパク(カゼイン)はアレルギーとガンのもとという指摘も
乳タンパク(カゼイン)は、乳がんや前立腺がんの増加と関係してるのではないかという指摘もあります。
牛乳以外の乳製品も同様の問題を抱える
上記問題は牛乳以外の乳製品も同様です。
チーズ、ヨーグルト、アイスクリーム、バター、生クリームなど。
ヨーグルトも「発酵しているからいい」というものではないんですね。
(つづく)
書籍概要
価格:1,430円 |
タイトル
発売日
2016/04/29
著者
山田豊文
杏林予防医学研究所所長。米国公益法人ライフサイエンスアカデミー理事長。
概要
杏林予防医学研究所所長であり、多くのアスリートの食事を指導された山田豊文さんが提唱する、一日二食&月イチの断食についてのお話です。
目次
第1章 「断食力」で頭が冴える!健康になる!(食べることは体にとって大仕事;消化作業を減らせば酵素の節約になる ほか)
第2章 断食成功のカギを握る「ケトン体」(話題の体内物質「ケトン体」とは;「ケトン体」は体の予備燃料 ほか)
第3章 “山田式”ファスティングで脳がよみがえる!(「水だけ断食」がおすすめできない理由;栄養素を味方につけるミネラルファスティング ほか)
第4章 「断食力」を高める食べ方、生き方(新発想!健康は「細胞レベル」で考えよう;「1日2食」のすすめ ほか)
おまけ
(今週のお題「最近買った便利なもの」)
ここではきちほーしのことをよく知ってもらうため、はてなブログの「今週のお題」をヒントに、本題と少し外れたお話をします。
今週のお題は「最近買った便利なもの」です。
うーん…、ナンデッシャロ…。
きちほーしはそんなに物欲がないので物は買わないのです。
強いていうならコレかなぁ。
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超音波電動歯ブラシdoltzの替えブラシです。
超音波歯ブラシはずっと以前から興味があったのですが、価格がかなりのものなのでずっと悩んでたんですね。
運良く本体を格安で手に入れることができたので、ブラシを買ってみたんですね~。
まだ使って数日なので、正直言って超音波歯ブラシが歯磨きに効果的なのかどうか、まだ実感持ててないんですね^^;。