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【知的障害支援できるかな?】成年後見制度に関する悪いニュースを集めてみた

成年後見人はくずだ!あいつらのせいで被後見人の人生はめちゃくちゃだ!」という話はよく聞きますが、具体的にどう問題があるのでしょうか?

この記事では成年後見人に関する悪いニュースを集め、成年後見人の問題点をまとめてみました。

成年後見制度は悪用される?

 

はじめに: 成年後見人って悪人なの?

どーも!きちほーしです!

きちほーしには知的障害をもつ、きちのという子供がいます。

きちのがちゃんと財産管理ができるようにするにはどうすればいいんだろう?ということで成年後見制度を知りました。



そして成年後見制度についていろいろ調べてきたのですが、悪い噂もよく聞きます。

実際ツイッターで「成年後見人」で検索すると「成年後見人のヤツラは人じゃない!」なんてつぶやきがいくつか出てきました。

ただ、ツイッターでは悪口を言っているだけで、何を根拠に悪く言っているのかはわかりませんでした。

そんなわけで、今回は成年後見制度に関する悪いニュースを集めてみました。

世間で何が悪く言われているのか、共通点がわかると思うのです。

 

世間で跋扈する「成年後見ビジネス」

概要

認知症の親が増え跋扈する「成年後見ビジネス」 | 最新の週刊東洋経済
ある日突然、弁護士が自宅に来て、こう言った。「家庭裁判所によってあなたに後見人が付くことになりました。私が後見人です。あなたにご自分の財産を動かす権利はありません」━━。2000年4月から介護保険制度と…

この記事に書かれている問題点をピックアップすると以下のような感じになります。

  1. 親族が後見人になると横領しがち。
  2. 職業後見人(司法書士・弁護士など)は事務的な仕事しかしない。
  3. 職業後見人は被後見人にほとんど会わない。
  4. 親族や被後見人が預金を解約・消費しようとしても妨げられる。
  5. 家庭裁判所は後見人を解約できるが、実際に解約するケースはほとんどない。
  6. 親族が被後見人と面会すらできないケースもある。

 

感想: 成年後見人は大した仕事しないのに被後見人への束縛が強い

1についてはそーなんだー、って感じです。

成年後見人を決める家庭裁判所も、当初親族を後見人にしていたようです。

ですが、横領が頻発したので今は職業後見人を選びがちなんだそうです。

きちほーしは親族を信頼しているので多少横領されても構わないですけどねー。

ただ、知的障害を持つきちのの面倒を見させつつ自分の人生を歩ませるのはちょっと気が引けてしまいます。

 

2, 3については知りませんでした。

後見人本来の業務をするにはかなりの労力を必要とするようで、そのため職業後見人は手を抜かざるを得ないようです。

 

4については、そもそもコレのために後見人がいるハズなのですが、「事務的な作業しかしない」ために融通がきかなさすぎるんでしょうね。

5について。後見人が不適切なら解約できることは知っていましたが、そのケースがほとんどないということは知りませんでした。

家庭裁判所から一方的に後見人を追加された話

概要

障害者と家族からカネを奪う「悪質後見人」その卑劣(長谷川 学) @gendai_biz
認知症高齢者とその家族の問題と思われがちな成年後見制度。だが実は、障害を抱えて懸命に生きようとする若い世代の人生にも、大きな影を落としている。
  • 知的障害者の娘に、家裁が突然弁護士を後見人につけた。
  • 娘の母がもともと後見人だった。弁護士は追加の後見人。
  • 家裁は後見制度支援信託(後見信託)の利用が良いと判断し、弁護士を追加した。
  • 弁護士の許可がないと娘の口座から引き出せなくなるのが後見信託。
  • 後見信託は親族後見人が被後見人の財産を横領しないための仕組み。
  • 母が納得できないまま半強制的に後見信託に入れられた。
  • 納得できないまま弁護士費用2~3万円を娘が支払うことを母は心配している

 

感想: 家裁が不適切な制度を強要してしまうこともある

母と被後見人の娘が被害にあっているような記事ですが、素直に読んでいいものか悩む記事です。

もしこの記事に登場する「母」が娘の財産を不当に横領しているとすれば、家裁の対応は妥当と思えるからです。

 

それは置いといて、母になんの落ち度もないとすれば、下手に成年後見制度を申立てすると半強制的に不適切な束縛を強いられる可能性もあるようです。

「でもそんな不適切なことを家裁がするわけがない。この母に問題があったんじゃないの?」とも思えなくもありません。

ですが、きちほーしは家裁が不適切なことをする可能性もあると思っています。

なぜなら後で書くブリトニースピーアズの騒動でも、専門家が「なんで家裁がこんな後見制度を適用したの?」と疑問を呈しているからです。

 

ブリトニースピアーズの後見人騒動1

概要

実はブリトニー・スピアーズ成年後見人をつけられているようです。

ブリトニー・スピアーズ成年後見制度は「父が私を支配するための道具だ」
後見制度に支配されていることを赤裸々に訴えていた
  • ブリトニー・スピアーズは被後見人
  • 過去の後見人は父、今はケアマネジャー。
  • ブリトニーは父の束縛ぶりに恐怖すら抱いている。ケアマネジャーにはそうでもない。
  • ブリトニーが受けた束縛は以下の通り(ブリトニーの証言)
    • 友達も自由に作れない
    • (くさるほど稼いでいるのに)週20万円のお小遣い制
    • 家の内装も変えられない
    • メンタルヘルスの治療施設に入院させられた
    • 40度の熱があっても公演を休めない

感想: 後見制度の良し悪しは後見人によって決まる

もちろんこの件はアメリカの事例です。

日本の制度でも同じことが起こるかどうかはわかりません。

また、主人公が有名人だけに記事が盛ってる可能性も否めませんし、ブリトニーが虚言・妄言を吐いている可能性も否めません。

それでもこの記事から読み取れるのは、後見制度がいいか悪いかは誰が後見人にになるかによる、ということだと思います。

この記事が正しいとすれば、アメリカの後見人は被後見人の意に反して過剰に束縛することも可能で、被後見人は恐怖すら抱くようです。

ちなみに、ブリトニーが被後見人になった理由は不明です。

一説では認知症という噂もあるようです。

ブリトニースピアーズの後見人騒動2

概要

上の記事の後日にNewsweekがこんな記事を出しています。

ブリトニー・スピアーズの後見制度はやりすぎでは? 米法律専門家の見解
<子宮内避妊器具(IUD)の装着強要などは憲法違反の可能性も。スピアーズの訴えの...
  • ブリトニーが受けた束縛は以下の通り(ブリトニーの証言)
    • 友人に会うのに許可が必要
    • ブリトニーの意思に反して公演させられた
    • 超高収入なのにお小遣い制
    • 精神鑑定・薬物検査も強要された
    • 避妊器具を強制装着
  • 後見法を専門とする米大学教授の「ブリトニー騒動」に関する見解は以下の通り
    • ブリトニーが意思決定能力アリと診断されれば、後見制度は解除できる
    • 友人に会えないのはおかしい
    • 避妊器具の強制装着は後見人の範囲を超えている
    • ブリトニーの場合は限定的な後見制度でいいはずだが、完全後見制度が適用されたのは疑問
    • ブリトニーが働いているなら十分な意思決定能力がある証拠とみなせるはず
    • そもそもなぜ父が後見人になれたのか疑問

感想: 裁判所の判定に専門家が疑問を抱く場合もある

専門家から見てもブリトニー父の束縛は常軌を逸しているようです(ただし、同じ束縛が妥当なケースもあるようです)。

そしてきちほーしが気になったのは、米大教授が「なぜ完全後見制度が適用されたのか?」「なぜ父が後見になれたのか?」と疑問に思ったことです。

つまり、適用する後見制度の判定のあり方がおかしいと思っているのです。

これはちゃんとした制度があっても判断する人間が間違えるとかなり悪い後見体制でも適用されてしまうということです。

これはアメリカでも日本でも同じでしょう。

(参考)映画:パーフェクト・ケア

最後におまけです。

アメリカの成年後見人制度に関するサスペンス映画が12月に公開されるようです。

本作は、アメリカで近年、犯罪行為に悪用され社会問題となっている「成年後見人制度」をめぐるクライムサスペンス。裁判所から“完璧なケア”で信頼も厚い成年後見人マーラ(パイク)。だが、彼女の本性は「成年後見人制度」を“合法的”に利用し、華麗にして大胆不敵、そして狡猾に高齢者から資産を搾取する悪徳後見人だった。そんなマーラは次の餌食として、身寄りのない老資産家ジェニファー (ダイアン・ウィースト)を狙いを付けるが、なぜか彼女の背後からロシアン・マフィアが現れて…。

「美しく微笑むロザムンド・パイクが恐怖の家庭訪問…『パーフェクト・ケア』本編映像をチラ見せ」MOVIE WALKER Press

 

成年後見人制度がアメリカと日本とでどのような違いがあるかは分かりませんが、大筋は類似しているのではと予想されます。

この映画をみると成年後見人制度の穴が分かりそうです。

おわりに

いかがだったでしょうか?

この記事では成年後見人に関する悪いニュースを集め、成年後見人の問題点をまとめてみました。

きちほーしがピックアップした問題点は以下のとおりです(個人の感想です)。

  • 成年後見人は大した仕事しないのに縛りが強い
  • 家裁が不適切な体制を強要することも
  • 後見制度の良し悪しは後見人によって決まる
  • 裁判所の判定に専門家が疑問を抱く場合もある

きちほーしが読んだ記事はレアケースなのか?そうでないのか?

成年後見制度をどうするかはもうちょっと調査したほうがいいかもしれませんね。