このシリーズではでは、障害者の経済事情について解説した書籍「障害のある子が「親なきあと」にお金で困らない本」についてグッと要約してお話します。
知的障害・発達障害のお子さんを持つ親御さんはぜひご参考ください。
この記事では、親なき後にわが子の財産を管理する方法である法人後見と、日常生活自立支援事業についてお話します。
これらはよく知られている法定後見人・任意後見人とは少し違うサービスです。
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アイスブレイク
(今週のお題「最近洗ったもの」)
アイスブレイクではきちほーしのことをよく知ってもらうため、はてなブログの「今週のお題」をヒントに、本題と少し外れたお話をします。
今週のお題は「最近洗ったもの」です。
最近洗ったもの?
いや、しょっちゅう洗ってるんでコレというものはないのですが。
強いて言うならお布団ですかねぇ。
これだけ暑くなるとお布団に汗とかしみちゃいますからね。
ダニとかがわく前に洗わなきゃですね。
そしておふとんのような乾きにくいものでもこの季節ならあっという間ですね。
乾燥機いらずです!
はじめに
どうも!きちほーしです!
きちほーしの子どもキチノは知的障害があり、お金というものを理解できていません。
このままではどれだけ財産を遺しても浪費してしまうことは目に見えています。
それを防ぐ方法として、これまでは法定後見人や任意後見人についてお話してきました。
【知的障害者支援できるかな?】成年後見制度をカンタンにまとめてみた
【知的障害支援できるかな?】成年後見制度の実情 -書籍「障害のある子が「親なきあと」にお金で困らない本」のご紹介8-
そして今回は、もう少し違うサービスとして、法人後見、および日常生活自立支援事業についてお話します。
今回も参考にしたのは、障害者の経済事情について解説した書籍「障害のある子が「親なきあと」にお金で困らない本」です。
なお、一部きちほーしが独自に調査して補足している箇所もあります。
きちほーしが調査した部分についてはその旨記載します。
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本記事の範囲: 第2部-第2章 日常のお金を管理するために
この記事では第2部の第2章「日常のお金を管理するために」について要約してお話します。
第2部第2章では、親なき後に子どもの日常のお金を管理する方法としてさまざまな後見人サービスを紹介しています。
法人後見
法人後見とはその名の通り個人ではなく法人が後見するサービスです。
多くの場合後見するのは親族や専門職のような個人だったりしますが、法人を後見にするという選択肢もあるのです。
法人後見のメリット
法人後見のメリットは以下の通りです。
- 担当者の交代に対応できる
- 複数人によるチーム対応もできる
- 地域ネットワークの活用や連携がしやすい
障害ある子の後見は長くなることが多いので、担当者の交代によって後見業務を長期間できるのはかなりの強みです。
法人後見のデメリット
一方で以下のようなデメリットもあります。
- チームで対応するので責任の所在があいまいになりがち
- 担当が複数人いると被後見人には顔が見えにくい
- チームで意思決定すると判断が遅くなりがち
- 法人の運営状況が悪くなったり人材不足に陥ると継続的な後見も困難になる
このようなデメリットはあるものの、それを差し引いても若い子にとって法人後見は非常に有力だというのが筆者の見解です。
親族+法人による複数後見というやり方もある
最初は親族が身上監護、法人が財産管理を担当し、健康面の不安で親族の後見が難しくなったら法人のみの後見に移行する、というやり方もあります。
法人後見で大事な財産管理・身上監護の引き継ぎ資料
障害ある子の後見は長期に渡るので、後見者の交代があります。
これは法人後見の担当者から次の担当者へ交代する場合もありますし、親族から法人後見の担当者へ交代する場合もあります。
その時に備えて、例えば後見業務報告ノートのような業務引き継ぎの資料を準備しておいた方が良いでしょう。
親たちが立ち上げた法人後見
同じ施設や学校・地域の親たちが中心となって立ち上げたNPO法人・一般社団法人が全国に設立されているようです。
(以下、きちほーし調査)
「法人後見」で検索するといくつか出てきました。
「◯◯市社会福祉協議会」というものがほとんどで、市単位で活動されている印象です。
都道府県単位の福祉協議会もありますが、実務ではなく実務をする法人の後援という印象です。
蛇足ですが、検索リストのトップには福岡県の各市が出てきました。
ホームページの内容も比較的充実していて、この地域で結構盛んなのかなという印象も持ちました。
以下、目についた法人後見をリストアップします。
日常生活自立支援事業
日常生活支援事業というサービスもあります。
このサービスは、おおざっぱに言うと成年後見制度の簡易版です。
サービスの概要
サービスは以下のとおりです。
- 福祉サービスの利用援助
- 福祉サービスの利用に関する相談・助言・情報提供
- 例)役所や銀行の手続きの助言・同伴など
- 金銭管理の支援
- 日常的管理サービス、年金証書・通帳などの書類預かりサービス
- 例)通帳や印鑑を貸金庫に預けることの支援など
費用は高くても月3000円前後
利用料金は地域や本人の収入によって異なりますが、全てのサービスを利用しても月額3000円前後です。
利用条件は本人に契約能力があること
このサービスを利用するためには、利用者本人との契約が必要になります。
そのため子ども本人がこのサービスの利用を希望しており、契約の内容を理解できることが利用の条件になります。
成年後見を良いタイミングで発効するための工夫
親が元気な間は自分でわが子の面倒を見て、健康面で心配になったら成年後見に移行したい、と多くの親御さんが考えると思います。
ですが判断能力や体調の衰えを自分で気づくことが難しい場合もあります。
パートナーに先立たれるなどして、親一人で子どもの面倒を見ている場合は特に気づきにくいでしょう。
そうなってもスムーズに成年後見制度に移行できるよう、以下のような準備しておくことをオススメします。
- 任意後見制度を利用し、契約の条項に、親の判断能力が劣ったら契約が発効し、子どもの貢献申立をしてもらう
- 日常生活自立支援事業の支援員や地域の民生委員・近所づきあい等で親の判断能力の衰えをキャッチしてもらう
おわりに
いかがだったでしょうか。
この記事では、法定後見人・任意後見人とは少し違うサービスである、法人後見・日常生活支援事業についてお話しました。
- 法人後見
- 個人ではなく法人が後見するサービス
- 担当者の交代・引き継ぎができることが大きなメリット
- 親族が元気な内は、親族が身上監護をし、法人後見が財産管理を担当するというやり方もある
- 親たちが立ち上げたNPO法人・一般社団法人が全国にある
- 日常生活自立支援事業
- 成年後見制度の簡易版ともいえるサービス
- 福祉サービスの利用に関する相談・助言・情報提供
- 日常的管理サービス、年金証書・通帳などの書類預かりサービス
- 費用は高くても月3000円前後
- その他
- 成年後見を良いタイミングで発効するための工夫もある
障害ある子の財産管理のために世の中にはいろんなサービスがあります。
色々比較検討して将来のために備えておきましょう。
ではまた!
(参考)書籍概要
タイトル
障害のある子が「親なきあと」にお金で困らない本
著者
渡部 伸
概要
知的障害を持つ子の親であり行政書士でもある筆者が、知的障害者を守る社会的セーフネットや親が生前出来ることについて分かりやすく解説しています。
目次
第1部 「親なきあと」の収入と支出を知ろう(障害基礎年金の仕組み;暮らしの場によって変わる収支;毎月の固定費を軽減する;定期的な通院や病気になったときの医療費の支援制度)
第2部 「親なきあと」の経済的に困らない仕組みを考えよう(子どもの生活を支える資産の残し方;日常のお金を管理するために;ひとり残った子どもの経済的なサポート策;ケーススタディ・「親なきあと」のお金の問題)