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【本の紹介できるかな?】介護問題とは?知的障害者支援と共通点は? -介護危機 ―「数字」と「現場」の処方箋1-

きちほーしは介護に関する諸問題は知的障害者支援の問題としてもありうると考えています。

そこでこのシリーズではでは、介護の諸問題について解説した書籍「介護危機 ―「数字」と「現場」の処方箋」について要約します。

そしてこの記事では介護に関する諸問題の概要についてお話します。

介護サービス・障害者支援サービスの問題点について知りたい方はぜひお読みください。

 

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はじめに

きちほーしは障害ある子のキチノが心配!

どうも!きちほーしです!

きちほーしの子キチノは知的障害があります。

障害者の親ならみんなそうだと思いますが、親なき後も障害を持つわが子がちゃんとやっていけるか心配になります。

そこできちほーしは一般的な障害者の経済事情を知ろうと、書籍「障害のある子が「親なきあと」にお金で困らない本」を読んでまとめました。

 

これを読む限りでは国や自治体が様々な支援をしてくれるので経済の面でも支援の面でも安心かなという感想を持ちました。

 

しかしそれでも心配性のきちほーしは安心しきれません。

国や自治体の資金も無尽蔵にあるわけではなく、経済の面でも支援の面でも今の状態が続かないこともありえるからです。

知的障害者支援の問題点をまとめた記事が見つからない!

心配性のきちほーしはどんな安心そうなサービスでも不安に感じてしまいます。

だから「将来的に障害者支援は今の質を維持できないのではないか?」と考えてしまいます。

この心配はきちほーしの取り越し苦労なのかそうではないのか。

 

それを調べようと障がい者支援の現状に関する記事や書籍を探してみました。

ですが、なかなか見つかりませんでした。

介護問題について調べてみよう!

そこで視点を変えて介護問題について調べようと思いました。

介護も知的障害者支援も、認知力や判断力が弱い人を支援するという点で共通しており、共通の問題点がありそうだからです。

 

そうして見つけたのが、介護問題について書かれた書籍「介護危機 ―「数字」と「現場」の処方箋」です。

 

このシリーズでは、この書籍について、その概要と、きちほーしが参考になったところをピックアップし、要約して紹介します。

書籍概要

タイトル

介護危機―「数字」と「現場」の処方箋

発売日

2017/6/14

著者

宮本 剛宏

概要

介護人材の不足、行政の財源不足の2つの問題が叫ばれる今、介護の自己責任が問われはじめている。
大きな選択肢となるのは「自宅か施設(老人ホーム)か?」。
全ての人が「最期まで自宅で過ごしたい」という願いを実現できるわけではない。

介護業界における問題の本質を暴き、豊富な現場データと実体験をもとに、個人・行政・企業が取組むべき処方箋を提言。

目次

◆第1章 介護の現場で起きていること―介護職の声と顧客データから何がわかるか―
◆第2章 なぜ、介護職12万人、財源1.5兆円が不足するのか
◆第3章 毎年5割成長する介護企業の秘密
◆第4章 こうすれば介護の人材・財政不を解消できる
◆第5章 それぞれの「希望」をかなえるビジネスモデル

本記事の範囲

この記事では序章「はじめに」を要約してお話します。

高齢者介護の深刻な問題点

日本の高齢者介護には大きく2つの深刻な問題があります。

1つは人材不足、もう1つは財源不足です。

2025年には介護人材が38万人不足する

少子高齢化によって要介護者が増加を続け、2025年の介護人材の需要と供給は以下のようになる見込みです。

  • 需要: 253万人
  • 供給: 215万人

供給が需要を下回り、38万人の介護人材が不足する見込みです。

 

介護保険料も自己負担率も増加が続く

介護保険料は保険制度が始まった当初からこの書籍が発行されあるまでの十数年で倍増しています。

  2000年(介護保険開始時) 2016年
65歳以上 2911円/月 5514円/月
40~64歳 2075円/月 5127円/月
介護保険料は十数年で倍増

さらに介護保険サービスの自己負担率も当初の1割からどんどん増え、今では当初の2~3倍になっています。

  2000年(介護保険開始時) 2015年 2021年(*きちほーし調査)
高所得の65歳以上 1割負担 2割負担 3割負担
中所得以下の65歳以上 1割負担 1割負担 2割負担
介護保険サービスの自己負担率は十数年で2~3倍に

財政の都合で介護は施設から在宅へ

介護給付費は在宅より施設のほうが高く財政圧迫につながります。

そのため介護報酬について、介護施設の割合を下げる一方で訪問介護サービスの割合を上げて、施設から在宅への移行を促しています。

高齢者と知的障害者の数の推移(*きちほーし調査)

高齢者介護の深刻な問題点の一つである人材不足は、高齢者の人口増が主な要因の一つでした。

では知的障害者はどうなのでしょう?

知的障害者数はこの十数年で2倍以上に

福祉経営ラボによれば以下のとおりです。

知的障害者数(万人)
2006 45.9
2010 54.7
2014 74.1
2018 108.2
知的障害者の人口推移

右肩上がりで増加し、十数年で2倍以上に膨れ上がっています。

ちなみに知的障害者が増加した主な要因としては、生活環境の変化・障害に対する認識の変化などが考えられるようです。

知的障害者数の増加率は要介護者数より大きい

一方で要介護認定者の推移は、厚労省の資料によれば以下のようになります。

統計年は上記の「知的障害者の人口推移」に合わせています。

要介護者(万人)
2006 440.1
2010 506.2
2014 605.8
2018 658.2
要介護者の人口推移

要介護者は十数年で1.5倍ほどに増えています。

つまり少なくともココ十数年では、知的障害者の方が要介護者よりも大きく増加しているのです。

 

これだけで支援体制の逼迫度合いは測れませんが、支援の需給バランスが崩れていないか調べる必要がありそうです。

(残念ながら現時点で知的障害者の支援者数に関する資料は見つけられていません)

 

おわりに

いかがだったでしょうか?

きちほーしは知的障害者支援の問題点を知りたいきちほーしが、似たようなサービスと思われる介護の問題点について調べました。

そこでこの記事では、介護問題について書かれた書籍「介護危機 ―「数字」と「現場」の処方箋」の中から、介護問題の概要をお話しました。

この書籍の序章では高齢者介護の問題点について触れられていました。

  • 2025年には介護人材が38万人不足する
  • 介護保険料も自己負担率も増加が続く
  • 財政の都合で介護は施設から在宅へ

そして介護問題の要員の一つである要介護者の人口増であることに注目し、知的障害者の数の推移についてきちほーしが独自に調べました。

人口増だけで支援の逼迫度合いは測れませんが、調べる価値はありそうです。

 

次回は、介護のより具体的な実情についてお話します。

ではまた!