昨日まで健康にいいと信じてきたことが実は間違っていた。
何度かそんな経験をしてきたんじゃないでしょうか?
この記事では、近年脚光を浴びているファスティングについて、その効果がどこまで本当なのかデータを使って検証したいと思います。
ほぼ1年前にもデータで検証してみましたが、サンプル数がかなり限られていました。
今回はたくさんのサンプルで検証できる方法を思いついたので、1年ぶりに追加検証をしていきたいと思います。
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はじめに
ファスティングをどこまで極めるのか?
私は3年ほど前から1日2食のファスティングを続け、ファスティングを始めてから1年後にはメタボ腹が解消されました。
メタボ腹を解消するという点でファスティングが効果的であることは間違いなさそうです。
書籍「脳がよみがえる断食力」では他にも「集中力が増す」「長寿遺伝子が活性化する」という効果が挙げられています。
ちなみに同書では3日以上の断食を推奨しています。
1日2食のような生ぬるいファスティングではなく、もっともっとファスティングを極めれば、もっともっと健康になれるのでしょうか?
断食してみたけど効果を実感できなかった
そんなわけで最近3回ほど、40~48時間食事を摂らない断食にチャレンジしました。
- 48時間断食してみた1 - ファスティングダイエット挑戦日記('24/06/01) - きちほーし勉強できるかな?
- 2度目の断食!筋肉量にどう影響したか?1 - ファスティングダイエット挑戦日記('24/05/01) - きちほーし勉強できるかな?
- 断食で身体改善! - ファスティングダイエット挑戦日記 結果編1('24/04/01) - きちほーし勉強できるかな?
断食の効果の一つに「集中力が増す」というわかりやすいものがありますが、正直言ってその効果は3回とも実感できませんでした。
数年前に1日3食から2食に減らした時は集中力が増した実感がありました(うろ覚えですが)。
ですが40時間以上0食をやってみて集中力がさらに増したという実感はありませんでした。
むしろ筋肉量を減らしたというデメリットだけがはっきり現れました。
これでは1日0食までファスティングを極めるモチベーションはもてないですねぇ。
「長寿になる」を検証したい!
まだファスティングを極める理由は残っています。
それは「長寿遺伝子が活性化する」つまり「長寿になる」というものです。
でもそれは本当なのでしょうか?
以前もそのへんが気になり少食有名人の寿命を調査してみたところ、下記のような結論になりました。
- 菜食主義・少食主義だからと言って長寿になるとは限らないが、
長寿になるケースが多い。
ただこれは調査対象9人から出した結論です。
なんなら戦国時代や江戸時代のような大昔の人のデータも混ざっています。
もう少し多くのデータを得たかったのですが、この時は9人が限界でした。
そうだ!イスラム教徒だ!
最近断食をやってみてふと思いました。
そう言えばイスラム教の人たちって断食してるよね?
調べてみると年に1ヶ月ほど断食しているようです。
断食と言っても日の出から日没まで食べないだけで1日0食というわけではないようですが、長時間食を絶ってることは変わりありません。
この人たちは若い頃から年に1ヶ月これをやっているのです。
ということは、イスラム教の人たちとそうでない人たちの平均寿命を比較すれば、ファスティングの効果が見えてくるかもしれません。
イスラム教徒の国と非イスラム教徒の国の平均寿命を比較しよう!
イスラム教徒が多い国の平均寿命は世界で何番目?
イスラム教徒の国と非イスラム教徒の国の平均寿命を比較してみることにしました。
これで数百万人~数千万人レベルのデータで比較できます。
もしかしたら世界の平均寿命ランキングのトップ10はイスラム教国が独占しているのか!?
参考にしたのは下記の文献です。
下表は平均寿命の国別ランキングです。
この中の赤文字の国はChatGPTが「イスラム教徒が多い」と答えた国です。
1位 | 日本 | 84.3歳 |
2位 | スイス | 83.4歳 |
3位 | 大韓民国 | 83.3歳 |
4位 | シンガポール | 83.2歳 |
5位 | スペイン | 83.2歳 |
6位 | キプロス | 83.1歳 |
7位 | オーストラリア | 83歳 |
8位 | イタリア | 83歳 |
9位 | イスラエル | 82.6歳 |
10位 | ノルウェー | 82.6歳 |
11位 | フランス | 82.5歳 |
12位 | ルクセンブルク | 82.4歳 |
13位 | スウェーデン | 82.4歳 |
14位 | アイスランド | 82.3歳 |
15位 | カナダ | 82.2歳 |
16位 | ニュージーランド | 82歳 |
17位 | マルタ | 81.9歳 |
18位 | アイルランド | 81.8歳 |
19位 | オランダ | 81.8歳 |
20位 | ドイツ | 81.7歳 |
21位 | オーストリア | 81.6歳 |
22位 | フィンランド | 81.6歳 |
23位 | ポルトガル | 81.6歳 |
24位 | ベルギー | 81.4歳 |
25位 | イギリス | 81.4歳 |
26位 | デンマーク | 81.3歳 |
27位 | スロベニア | 81.3歳 |
28位 | ギリシャ | 81.1歳 |
29位 | クウェート | 81歳 |
30位 | コスタリカ | 80.8歳 |
31位 | チリ | 80.7歳 |
32位 | ペルー | 79.9歳 |
33位 | モルディブ | 79.6歳 |
34位 | コロンビア | 79.3歳 |
35位 | パナマ | 79.3歳 |
36位 | チェコ | 79.1歳 |
37位 | エストニア | 78.9歳 |
38位 | クロアチア | 78.6歳 |
39位 | トルコ | 78.6歳 |
40位 | アメリカ合衆国 | 78.5歳 |
41位 | エクアドル | 78.4歳 |
42位 | ポーランド | 78.3歳 |
43位 | スロバキア | 78.2歳 |
44位 | アルバニア | 78歳 |
45位 | ヨルダン | 77.9歳 |
46位 | キューバ | 77.8歳 |
47位 | タイ | 77.7歳 |
48位 | 中国 | 77.4歳 |
49位 | イラン(イスラム共和国) | 77.3歳 |
50位 | カタール | 77.2歳 |
51位 | アルジェリア | 77.1歳 |
52位 | ウルグアイ | 77.1歳 |
53位 | チュニジア | 77歳 |
54位 | スリランカ | 76.9歳 |
55位 | ボスニア・ヘルツェゴビナ | 76.8歳 |
56位 | アルゼンチン | 76.6歳 |
57位 | アンティグア・バーブーダ | 76.5歳 |
58位 | ハンガリー | 76.4歳 |
59位 | レバノン | 76.4歳 |
60位 | トリニダード・トバゴ | 76.1歳 |
61位 | アラブ首長国連邦 | 76.1歳 |
62位 | アルメニア | 76歳 |
63位 | バルバドス | 76歳 |
64位 | ジャマイカ | 76歳 |
65位 | リトアニア | 76歳 |
66位 | メキシコ | 76歳 |
67位 | ブラジル | 75.9歳 |
68位 | モンテネグロ | 75.9歳 |
69位 | セルビア | 75.9歳 |
70位 | バーレーン | 75.8歳 |
71位 | リビア | 75.8歳 |
72位 | パラグアイ | 75.8歳 |
73位 | ルーマニア | 75.6歳 |
74位 | ラトビア | 75.4歳 |
75位 | ブルガリア | 75.1歳 |
76位 | エルサルバドル | 75歳 |
77位 | ニカラグア | 75歳 |
78位 | ベラルーシ | 74.8歳 |
79位 | 北マケドニア | 74.8歳 |
80位 | マレーシア | 74.7歳 |
81位 | ベリーズ | 74.4歳 |
82位 | バングラデシュ | 74.3歳 |
83位 | ブルネイ ダルサラーム | 74.3歳 |
84位 | セントルシア | 74.3歳 |
85位 | サウジアラビア | 74.3歳 |
86位 | キルギスタン | 74.2歳 |
87位 | モーリシャス | 74.1歳 |
88位 | カーボベルデ | 74歳 |
89位 | カザフスタン | 74歳 |
90位 | オマーン | 73.9歳 |
91位 | ベネズエラ (ボリバル共和国) | 73.9歳 |
92位 | ベトナム | 73.7歳 |
93位 | グルジア | 73.3歳 |
94位 | モルドバ共和国 | 73.3歳 |
95位 | セーシェル | 73.3歳 |
96位 | バハマ | 73.2歳 |
97位 | ロシア連邦 | 73.2歳 |
98位 | セントビンセントおよびグレナディーン諸島 | 73.2歳 |
99位 | ブータン | 73.1歳 |
100位 | モロッコ | 73歳 |
101位 | ウクライナ | 73歳 |
102位 | ウズベキスタン | 73歳 |
103位 | グレナダ | 72.9歳 |
104位 | ドミニカ共和国 | 72.8歳 |
105位 | シリア・アラブ共和国 | 72.7歳 |
106位 | 朝鮮民主主義人民共和国 | 72.6歳 |
107位 | トンガ | 72.6歳 |
108位 | イラク | 72.4歳 |
109位 | ボリビア(多民族国家) | 72.1歳 |
110位 | グアテマラ | 72歳 |
111位 | ホンジュラス | 71.9歳 |
112位 | エジプト | 71.8歳 |
113位 | スリナム | 71.5歳 |
114位 | アゼルバイジャン | 71.4歳 |
115位 | インドネシア | 71.3歳 |
116位 | ネパール | 70.9歳 |
117位 | インド | 70.8歳 |
118位 | サモア | 70.5歳 |
119位 | フィリピン | 70.4歳 |
120位 | サントメ・プリンシペ | 70.4歳 |
121位 | カンボジア | 70.1歳 |
122位 | トルクメニスタン | 69.7歳 |
123位 | 東ティモール | 69.6歳 |
124位 | タジキスタン | 69.5歳 |
125位 | ミャンマー | 69.1歳 |
126位 | ルワンダ | 69.1歳 |
127位 | スーダン | 69.1歳 |
128位 | エチオピア | 68.7歳 |
129位 | セネガル | 68.6歳 |
130位 | ラオス人民民主共和国 | 68.5歳 |
131位 | モーリタニア | 68.4歳 |
132位 | モンゴル | 68.1歳 |
133位 | フィジー | 68歳 |
134位 | コモロ | 67.4歳 |
135位 | タンザニア連合共和国 | 67.3歳 |
136位 | ウガンダ | 66.7歳 |
137位 | イエメン | 66.6歳 |
138位 | ガボン | 66.5歳 |
139位 | ガーナ | 66.3歳 |
140位 | ケニア | 66.1歳 |
141位 | ジブチ | 65.8歳 |
142位 | ガイアナ | 65.7歳 |
143位 | マラウイ | 65.6歳 |
144位 | パキスタン | 65.6歳 |
145位 | ガンビア | 65.5歳 |
146位 | マダガスカル | 65.3歳 |
147位 | パプアニューギニア | 65.3歳 |
148位 | 南アフリカ | 65.3歳 |
149位 | バヌアツ | 65.3歳 |
150位 | ソロモン諸島 | 65.2歳 |
151位 | コンゴ | 64.7歳 |
152位 | ナミビア | 64.6歳 |
153位 | トーゴ共和国 | 64.3歳 |
154位 | エリトリア | 64.1歳 |
155位 | ハイチ | 64.1歳 |
156位 | リベリア | 64.1歳 |
157位 | ブルンジ | 63.8歳 |
158位 | ベナン | 63.4歳 |
159位 | ニジェール | 63.3歳 |
160位 | アフガニスタン | 63.2歳 |
161位 | アンゴラ | 63.1歳 |
162位 | ミクロネシア連邦 | 63歳 |
163位 | コートジボワール | 62.9歳 |
164位 | マリ | 62.8歳 |
165位 | 南スーダン | 62.8歳 |
166位 | ブルキナファソ | 62.7歳 |
167位 | ナイジェリア | 62.6歳 |
168位 | ザンビア | 62.5歳 |
169位 | カメルーン | 62.4歳 |
170位 | コンゴ民主共和国 | 62.4歳 |
171位 | ボツワナ | 62.2歳 |
172位 | 赤道ギニア | 62.2歳 |
173位 | ギニア | 61歳 |
174位 | シエラレオネ | 60.8歳 |
175位 | ジンバブエ | 60.7歳 |
176位 | ギニアビサウ | 60.2歳 |
177位 | チャド | 59.6歳 |
178位 | キリバス | 59.4歳 |
179位 | モザンビーク | 58.1歳 |
180位 | エスワティニ | 57.7歳 |
181位 | ソマリア | 56.5歳 |
182位 | 中央アフリカ共和国 | 53.1歳 |
183位 | レソト | 50.7歳 |
上の表でみると、イスラム教徒の国で最もランキングが上の国はクウェートの29位。
上位をイスラム教徒の国が占めていると思いましたがそうでもなかったようです。
1位の日本との差は3.3歳ほどで余り大きな差とは言えなさそうですが、断食によって日本を超えるほどの寿命が手に入るわけでもなさそうです。
経済規模も加味して比較しよう
もちろん平均寿命に関係するのは断食だけではないはず。
その国の経済も少なからず影響しているでしょう。
そこで、一人当たりGDPが近いイスラム教徒の国と、非イスラム教徒の国を比較してみます。
一人当たりGDPで参考にしたのはこの資料です。
以下では、一人当たりGDPが近いイスラム教徒の国と非イスラム教徒の国の2国の平均寿命を比較しています。
ほとんどのケースでイスラム教徒の国の方が、非イスラム教徒の国よりも平均寿命が短いです。
ブルネイ vs バハマではブルネイの方が長いですが、1.1歳ほどで大差はありません。
断食すれば本当に長寿になるのか疑わしくなってきました。
ChatGPTとGeminiに聞いてみた
最終的にきちほーしが頼りにするのはChatGPT先生とGemini先生です。
聞いてみました。
[質問]
ファスティングで寿命が伸びると聞きますが、ラマダン等でよく断食しているイスラム圏の国の平均寿命は、非イスラム圏の国より短いか大差はありません。
本当にファスティングで長寿になれますか?
[ChatGPT]
ファスティングが寿命を伸ばすかどうかについては、科学的な研究や証拠がまだ不十分です。
一部の研究では、断食が健康にいくつかの利点をもたらす可能性が示唆されています。たとえば、断食が体重減少やインスリン感受性の改善などの健康上の利点をもたらす可能性があります。
(中略)
国の平均寿命がイスラム教圏と非イスラム教圏で大差がないことからも、ファスティングが寿命に直接的な影響を与える可能性は低いと考えられます。そのため、ファスティングは健康や精神面での利点があるかもしれませんが、寿命を延ばす唯一の方法とは言えません。
[Gemini]
確かに、近年ファスティングが健康に良いという研究結果が続々と発表されています。
動物実験では、ファスティングによって寿命が延長されることが示唆されています。
しかし、人間におけるファスティングと寿命の関係はまだ十分に解明されていません。
ご指摘の通り、ラマダン等で定期的に断食を行うイスラム圏の国の平均寿命は、必ずしも非イスラム圏の国より長いわけではありません。
むしろ、多くのイスラム圏の国は、平均寿命が低い傾向にあります。
(中略)
ファスティングには、オートファジーと呼ばれる細胞内の老廃物を除去する仕組みの活性化や、抗炎症作用、インスリン感受性の向上など、様々な健康効果が期待できます。
しかし、これらの効果が必ずしも寿命延長に繋がるとは限りません。ファスティングの効果は、個人差や体調、実施方法によっても大きく左右されます。
(中略)
現時点では、ファスティングと寿命の関係について、確実な結論を出すことはできません。しかし、ファスティングには様々な健康効果が期待できると考えられます。
おわりに
まとめ
この記事では、慣習的に断食を行っているイスラム教徒に着目し、断食が長寿につながるかどうかを検証しました。
具体的にはイスラム教徒の国と非イスラム教徒の国の平均寿命を比較しました。
その結果、むしろ多くのイスラム圏の国は平均寿命が低い傾向にあることがわかりました。
ChatGPTやGeminiに聞いてみても、「ファスティングと寿命の関係について、確実な結論を出すことはできません」との結論になりました。
結論:(ファスティングに)憧れるのはやめましょう
某名言のパロディです^^。
ファスティングに憧れるのはやめましょう。
期待しすぎるのはやめましょう。
「メタボ腹の解消」については効果があることをきちほーしが身を持って実証していますが、それは1日2食の軽めのファスティングでもクリアできます。
その他の効果の「長寿になれる」まではあまり期待しないほうがいいかもしれません。
多少影響はあるかもしれませんが、寿命を決める要素はファスティング以外にもいろいろあると思われます。
長寿になるかどうかわからないことのために、1日0食のようなつらい思いをするよりは、普通に食事を楽しむのがいい人生なんじゃないでしょうか。
みなさんもよきダイエットライフを!
ではまた!
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おまけ
(今週のお題「私の〇〇ランキング」)
ここではきちほーしのことをよく知ってもらうため、はてなブログの「今週のお題」をヒントに、本題と少し外れたお話をします。
今週のお題は「私の〇〇ランキング」です。
今回は「私の健康本ランキング」です。
ランキングと銘打ってはいますが別に順序はありません。
- 書籍「脳がよみがえる断食力」
- 書籍「すべての不調は自分で治せる」
- 書籍「寝たきり老人になりたくないならダイエットはおやめなさい」
今のきちほーしのダイエット方針を決める根底となっている本です。
面白いのは1と2が主張する健康法は互いに相反していること。
これらの本を読んで、たとえ最新の健康法であっても過信してはいけない、ということを学びました。
今はどちらか一方を盲信しないように気をつけながらダイエットを実践しています。